せんせのブログ

兵庫県立フラワーセンターへ!~外部連携による卒業研究~

2025.11.16

現在、2年生は2年間の集大成とも言える卒業研究に取り組んでいます。
その卒業研究の一環で、兵庫県立フラワーセンターにサンプリングに伺いました。
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職員の方(写真左端の男性)は長年、ウツボカズラの収集と育成を手掛けてこられた
プロフェッショナルなので、サンプリングする品種それぞれについて、
原種なのか交配種なのか、自生地域や生えている場所、形状や模様・色などの特徴を
分かりやすく説明してくださいました。
さらには、原種が自生している現地に採取に行った時のこと、
ここまでコレクションを増やすまでに経験した様々なエピソードなど
この職員さんにしか語れない数々のお話しを学生たちは興味津々といった様子で
聞きながら、楽しそうにサンプリングをしていました。


まずは、本校の卒業研究や兵庫県立フラワーセンターについて、ご紹介します。
本校の卒業研究の特徴は、実務実践力を磨くために、チームで取り組むことです。
まず2年生の前期に、学生たちが取り組んでみたい研究テーマの希望を調査した上で
チーム分けを行った後、班員と指導教員が相談して具体的な研究計画を立てます。
そして、後期から実際の実験を行い、実験結果をまとめ、結果から考察を行い、
最終的に卒業論文の作成と成果発表を行います。
卒業研究の成果発表会は毎年2月に、求人をくださる企業の方、学生の保護者や
出身高校の先生方など外部の方も参加されて、盛大に行います。
(昨年度の卒業研究発表会の様子はこちらから)

今回訪れた兵庫県立フラワーセンターはウツボカズラをはじめとする食虫植物について
国内有数のコレクションを誇る施設で、環境変化(地球温暖化や、焼き畑農業といった
開発など)により原産地でも見られなくなった貴重な原種を保有するため、
そのコレクションは公益社団法人日本植物園協会からナショナルコレクションに認定
されています。

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こちらは、ザ・バックヤードといった雰囲気に満ちた育成温室です。
ナショナルコレクションに認定された貴重な品種がところ狭しと並べられて、
育成管理されています。

本校では9年前から兵庫県立フラワーセンターと共同で、
このウツボカズラの捕虫器の中にある消化液が持つ機能性について研究を行っており、
毎年、数多くの品種から消化液を採取させていただいています。


サンプリングでは、捕虫器から消化液を吸い上げた後、その場ですぐにpHを測定し、
捕虫器内の虫の有無、消化液の色や粘性などの特徴とともに記録しました。
また、職員の方から教えていただいた名前も記録し、写真も撮影します。
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ちょうど、pHを測定しているところです。

さらに、展示室にも伺い、サンプリングさせていただきました。
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こちらの展示室には、ギネスから世界最大として世界記録に認定された捕虫器を作った
ウツボカズラが育成されています。

伺った3名の学生さんがうまく連携して、手早くサンプリングしてくれたので、
なんと30品種のウツボカズラから消化液をいただくことができました。
数多くの消化液をサンプリングできたので、卒業研究も一気に本格化していきます。
いただいた貴重なサンプルを大切に扱い、研究成果につなげていきましょう!

また、この卒業研究テーマ「食虫植物の消化液の機能性探索」では、
大阪の鶴見緑地公園にある咲くやこの花館とも共同研究を行っており、
消化液の経時変化を追う研究も進めています。
来年2月の卒業研究発表会では、これらの実験結果をご紹介できると思いますので、
このブログをご覧の皆さんも、発表をお楽しみに!!

by みなと

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