せんせのブログ
卒業生から分析化学の仕事を学ぶ!~第64回化学実務駅伝~
2025.06.26
本校は日本で唯一、分析化学のスペシャリスト「分析化学専門士」を
養成する学校として、実務に則した技能の修得を目指して、
カリキュラム策定をはじめとする様々な面で、企業との連携を図っています。
この企業連携の1つが「化学実務駅伝」という連携授業です。
この授業では毎回1社から、化学の現場で働いておられる技術職の方にお越しいただき、
学生が日々学んでいる化学の知識や技術が仕事の現場でどのように活かされているかを
話していただきます。
それにより、学生たちが化学の仕事のイメージを持つとともに、
今の学びに対するモチベーションを高めることを目的としています。
また、講演いただく企業様は毎回異なるため、まるでバトンリレーのように連綿と
つないでいくことから、化学実務駅伝と呼んでいます。
今回、第64走者となってくださった企業様は株式会社神戸製鋼所(KOBELCO)です。
神戸製鋼所は日本屈指の大手鉄鋼メーカーであり、鉄鋼をはじめとする金属だけではなく、
機械や電力などの事業も行い、幅広く社会基盤を支える企業です。
こちらの企業では、グループ企業も含め、多くの卒業生が働いています。
その中で今回は、茨木工場から人事の方(写真右)と34期卒業生のFくん(写真中央)が
来てくれました。![]()
こちらは講演会後に撮影したものです。
茨木工場では、金属と金属をつなぐ技術である溶接を行う際、
糊の役割を果たす溶接材の研究開発と製造を行っており、
そのシェアは業界トップクラスです。
こちらの工場で卒業生は研究開発における成分分析や品質管理の業務に就いています。
Fくんは現在、試験検査の部署で、班長という管理職を担っており、
日々多忙な中、この講演のために人事の方と相談しながら、講演内容を練って、
スライドを準備してくれました。
まずは人事の方から、会社全体、また茨木工場と溶接材について説明がありました。![]()
続いて、Fくんから分析業務の仕事内容と流れ、どんな分析を行っているかといった
説明がありました。![]()
分析機器の説明では、講演当日、私みなとが1年生の授業で説明した
原子吸光光度計が出てきたので、
学生は学んだことが仕事になるイメージが湧いたことと思います。
また、Fくんからは
「仕事に就いて、報告書を書くようになって、学校で書いていたレポートの重要性に
気が付いた。あの時、もっと考え、真剣に取り組んでいたら良かったと思った。
だから、学校で書くレポートを仕事と思って、その数値は正しいのか、
数値から何が読み取れるのか、真剣に向き合って取り組むことで、
実験技術も含めて、きっと仕事に役立つ力が付くと思うので、頑張ってほしい。」
といった後輩への激励がありました。
同じ学校の先輩からのメッセージを学生たちは真剣に聞いていました。
きっと、学生たちの心に響いたのではないかと思います。
実はFくんについては、卒業生の仕事現場の取材で、前日、茨木工場に伺い、
インタビューを行いました。
(その時の様子はこちらから)
お忙しい中、2日間もご対応いただきましたFくんをはじめ茨木工場の皆様、
本当にありがとうございました。
by みなと


