せんせのブログ

【土・日開講「分析化学応用学科」】化学のもの作りにも、分析にも通じる技術を修得!!

2018.12.23

分析化学応用学科の1年生は本日の実験で、分離・抽出・濃縮という化学のもの作りに
必要な技術の修得を目指しました。

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オープンカラムという実験手法を使って、ホウレン草の色素を分離しているところです。
化学のもの作り「合成」によってできた物質(生成物と言います)の純度を上げる操作
(精製と言います)で使われる方法です。


ここで、週末を有効活用して、分析技術だけでなく、合成技術も学べる分析化学応用学科
についてご紹介します。
本校には、平日に通学できない方を対象とした土曜日・日曜日開講の「分析化学応用学科」
があります。週末を活用することで、平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、
国家資格を含む4つの資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括
製造販売責任者・環境管理士(2級))も卒業と同時に全員が取得することができます。

この学科に在学する学生の入学目的は、例えば、技術職への就職や転職、現職での
キャリアアップやスキルアップ、勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家
資格の取得など多彩です。
さらに、それぞれの学生が学びたい分野も様々であるため、分析化学応用学科では、
環境・金属材料・医薬品・化粧品・食品・バイオ・有機材料などの幅広い分野の知識と
技術を総合的に学べるカリキュラムとなっています。
そこで、このような多種多様なニーズに対応するため、1学年あたりの定員を20名として、
少数精鋭で開講しています。


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こちらでは、溶液中の成分を抽出する時に用いる分液ロートという実験器具の使い方を
非常勤講師のM先生(写真右端)が演示しています。
実験では、初めて行う操作は教員が実演をして、使い方を説明するので、実験経験のない
方でも安心です。

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こちらは、ロータリーエバポレーターという装置を使って、濃縮操作を行っているところ
です。
教員の実演を見た後は、学生が一人ずつ、実際に装置に触って、使い方を確認します。
このように自ら触れることで、体で技術を覚えていくことができるのも、少人数制の
分析化学応用学科の魅力と言えます。

これらの技術は、化学のもの作り「合成」で生成物の精製の時に用いられるだけではなく、
より精度良く分析するために分析機器等で測定を行う前に目的成分を分離・抽出・濃縮
する場合にも用いられます。
つまり、本日学んだ技術は分析にも、合成にも役立つ技術と言えるのです。

実験を終えた学生に感想を聞くと
『本日の実験は、これまでの分析と異なる技術だったので、新鮮で楽しかったです。
また、夾雑物などを取り除くといった実試料を分析する上で必要な前処理技術でも
あると教わったので、復習して、しっかりと覚えたいです。』

『オープンカラムの実験を行い、液体クロマトグラフィーのカラム分離のイメージが
理解できました。授業と実験、実験と実験が補い合うことで、化学実験の様々な原理が
理解できてきて、技術力が身についてきていることを実感でき、うれしいです。』
と話してくれました。

実務に役立つ、様々な実試料を扱うための技術を少しずつ身につけて、幅広い分野で
活躍できるマルチな分析化学者を目指していきましょう!

by みなと


明日(12/24)は国民の祝日(振替休日)で学校はお休みです。
次のブログ更新は12月25日です。お楽しみに!!