せんせのブログ

【土・日開講「化学分析学科」】エナジードリンクが黄色いのは何の色?

2025.05.19

本校には土曜日、日曜日だけで開講している『化学分析学科』という学科があります。

専門学校と言えば、高校卒業後すぐに進学する学校と考えて居られる方も多いと思いますが、この化学分析学科には幅広い年齢層の学生が通学しています。この学科は、平日開講の学科に通学できない社会人やダブルスクールの大学生、フリーターや主婦などにも門戸を広げ、リカレント教育や資格取得の勉強をしています。『高校を卒業していること』が入学要件ですので、高校を卒業してすぐに入学してきた学生もおり、今年度は各学年に1名ずついます。入学してくる学生達の目標は様々で、本校で分析化学の知識と技術を学んで就職や転職を目指している方や、化学や化粧品に関する資格取得を目的としている学生が多い印象です。

平日開講学科と同様に2年間で卒業でき、卒業と同時に無試験で国家試験を含む4つの資格(毒劇物取扱者責任者・化粧品総括製造販売責任者・化粧品製造業責任技術者・環境管理士(2級))を取得できます。

ここ2週間続けて、実験ではビタミンB群を扱っています。ビタミンBにはビタミンB1、B2、B6などいくつかの成分があり、まとめてビタミンB群と呼んでいます。脂質や糖質の代謝に必要なビタミンで、肉体疲労時の疲労回復に役に立ちます。そのため、栄養ドリンクやエナジードリンクなどによく入っています。

今日はいくつかの栄養ドリンク中のビタミンB2(別名リボフラビン)を分析しました。商品のラベルをみるとビタミンB2が含まれず、ビタミンB1しか入っていないものもあるから要注意です。ちなみに栄養ドリンクを飲んだ次の日などにおしっこがやたらと黄色くなることがありますが、それはこのビタミンB2が原因です。この黄色い色はリボフラビンが光を吸収して別の波長で光っている蛍光です。そのため、蛍光分光光度計という分析装置をつかって分析を行いました。

リボフラビンも黄色い蛍光を示しますが、実はちょっと変化させてやるともっと蛍光が強くなります。アルカリ性にして30分ほど紫外線にあててやるのがポイントです。写真ではその紫外線にあてる準備をしています。

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紫外線にあてたあとは機器での測定です。私たちは普段よく使う分光光度計の約1000倍の感度がある装置なので、微量の分析もばっちりです。蛍光分光光度計は食品の栄養素だけでなく、医薬品や化粧品などの成分の分析でもよく使います。今日は食品(栄養ドリンク)の分析でしたが、今回の実験を応用すれば医薬品、化粧品の品質管理などでも活躍できる技術が身につきます。

分析化学は、部分的にしか見ていないと地味な技術に思えるかも知れませんが、様々なジャンルで応用されていることが解ってくると楽しくなってくると思います。

これ以外の実験や授業などでも、知識や技術の繋がりができるように指導していきますので、皆さんもしっかりついてきてくださいね。

by ドラいちろう

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