せんせのブログ

卒業生から学ぶ分析化学の仕事~第58回化学実務駅伝~

2023.06.22

本日は、今年度1回目の企業との連携授業の1つ「化学実務駅伝」を実施しました!
この授業は毎回1社より、分析現場で活躍されている技術職の方にお越しいただき、
実際の現場ではどのような技術を使い、何を重要視して分析業務を行っているかを教えていただきます。
また、講演いただく企業様は毎回異なり、バトンリレー形式でつなげていくことから、
本校では「化学実務駅伝」と呼ぶ、就職関連行事の1つです。
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学生たちにとっては、日々、学んでいる化学や分析技術が、社会や企業でどのように役立っているかを実感し、
化学を仕事にすることを具体的にイメージすることができる貴重な機会にもなっています。

今回は、「圓商産業株式会社」様から、取締役のT様(右)と本校を6年前に卒業したN様(左)に
お越しいただきました。
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こちらの企業では、鉄や銅などを含む純度の高い、高品質な化学薬品を製造されています。
これらは私たちの生活の中で意識しないと見過ごしてしまうようなところで使われており、
実は欠かせない製品となっています。

講演の前半は、取締役のT様より企業で取り扱っている製品が、私たちの身近なところで
関わっていることを分かりやすく、例を示しながらお話いただきました。
例えば、化粧品の原料になっていたり、お菓子などの袋に「食べたら危険」とされていても、
お菓子を日持ちさせるために入っている「脱酸素剤」などがあると紹介いただきました。
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続いて、卒業生のN様からも、本校で学んだことが実際の現場でどのように活かされているのか、
学生の間に学んでおくと良いこと、分析現場で求められることなど、実際の現場のデータを
示しながら具体的にお話をいただきました。

卒業生のN様からは、さらに後輩となる在校生に対して、技術的なことや必要となる資格の話だけでなく、
「企業の中ではグループで活動するため、リーダーシップをとることも時には求められます。
 苦手な人もいると思うけど、今のうちに積極的に挑戦してみてください。」と、
いろいろなアドバイスもいただきました。

就職活動中の2年生は、分析現場で活躍中の先輩から企業で求められること知り、
今後の就職活動に活かせる情報をメモしながら聞いていました。
1年生も入学してまだ2カ月と少しですが、早速、卒業生から技術職としての現場の声を
直接聞くことができる貴重な機会となり、今行っている実験がそのまま企業でも活かせる技術で
あることを実感できた様子でした。

終了後、学生たちは数名でグループディスカッションを行い、今日の講演の振り返りをしていました。1687366591171.jpg

これらを終えた1年生に今日の感想を聞きましたので、動画でご覧ください。

普段の授業や実験で学んでいることが実際の現場でどのように活用されているのかを知ると、
また明日からの授業や実験への取り組みも変わってくるものと思います。
学生のみなさんは分析化学者を目指すという目標や夢があります。
それぞれに今の課題は異なりますが、周りの同じ目標や夢を持つ友人と一緒に、
我々教員とも相談しながら、それら課題を乗り越え今後の学校生活をさらに有意義なものにしてください。

最後に改めて本日ご講演いただいた圓商産業株式会社のみなさま、貴重なお話をいただき
ありがとうございました。

By ぽてと