せんせのブログ

卒業研究がスタートしました!

2022.09.14

後期が始まって1週間あまり、2年生にとって大きなチャレンジでもあり、成長の機会ともなる卒業研究が本格的に動き始めました。

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こちらは前期の実験で修得したバイオの技術を使って、細菌の単離・培養を行っています。

本校に入学してくる学生のほとんどが高校の時に実験を経験したことがありません。さらには、高校では文系クラスで化学を学んだことがないという学生も多くいます。そこで、本校では授業も実験も基礎から少しずつステップアップできるようなカリキュラムとなっています。
例えば実験では、1年生の最初に行う基礎化学実験で器具の扱い方や基本的な実験操作を学び、定性分析実験や定量分析実験で実験技術に磨きをかけていきます。また、1年生後期で行う機器分析化学実験では汎用的な分析機器の基本操作とデータの読み取り方を修得します。
このようにして1年生の間に築いた基礎力を基に、2年生前期には各学科の専門分野の実験に取り組み、応用力を身につけます。そして、2年生後期に取り組むのが、2年間の集大成である卒業研究です。

本校の卒業研究はチームで取り組み、研究計画の立案から実験、そして成果の発表まで、学生たちが主体となって行います。その中で、これまでに学んだ知識や技術を復習し、より深く修得することはもちろん、実試料に対する前処理の仕方やより高度な分析方法、研究の進め方や発表の仕方など実務につながる知識と技術を学びます。このように、卒業研究を通して、学生たちは社会で活躍するために必要な「実務実践力」を養っていきます。
そして、毎年2月に学びの成果を発表する機会として卒業研究発表会を行っており、昨年度も学校に求人をくださる企業の方や保護者の方、学生の出身高校の先生など、多くの外部の方にご参加いただきました。
(昨年度の卒業研究発表会の様子はこちらから)

前期に、学生から取り組んでみたい研究テーマを募り、それを基にチーム分けを行った上で、具体的な研究計画を立て、必要な試薬や器具のリストアップ、それらに係るコストの計算などを行ってきました。
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学生と担当教員で実験内容について相談しているところです。こうした打合せを何度も繰り返し、研究計画を練っていきました。

そして後期となり、実際の実験がスタートしました。今はまだ多くの班が予備実験の段階で、卒業研究で用いる分析機器の扱い方や実験方法について担当教員からレクチャーを受けながら、少しずつ実験を進めているところです。
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卒業研究で初めて使う、においの成分を解析することができる分析機器の取り扱い方を教員から教わっています。
(機器の取り扱い方の説明中のため、保護メガネを外しています)

また、常に担当教員とコミュニケーションを取って、実験の進め方などを相談しながら、卒業研究を進めていきます。

本校は学生と教員の距離が近く、何でも相談できる雰囲気があるので、卒業研究が進むにつれて、学生からのどんどんと提案が出てくるようになり、より有意義な卒業研究となっていきます。

入学してきた時は化学もバイオも初心者だった学生たちが、1年半の授業や実験を経て、少しずつ一人前の分析化学者へと成長してきています。
本校での学生生活も残り半年となってきましたが、この卒業研究を通して、より一層技術を磨き、知識を蓄えて、分析化学のプロフェッショナルとして、巣立っていってほしいと願っています。

by みなと