せんせのブログ

【土・日開講「化学分析学科」】色の変化を楽しみながら分析しよう!

2022.09.12

本校には土曜日、日曜日だけ開講している『化学分析学科』という学科があります。

この学科は高校卒業すぐに入学することも出来ますが、平日開講の学科に通学できない社会人やダブルスクールの大学生、フリーターや主婦などにも門戸を広げ、リカレント教育や資格取得のための授業を行っています。
学生達は本校での学習の結果、就職や転職、今のお仕事でのスキルアップ、資格取得などを目標としています。

毎週土日のみの通学ですが、平日通学学科と同様に2年間で卒業でき、取得できる資格も同じです。
また、学年定員20名なので学生ひとり一人に丁寧な指導ができることも特徴です。

卒業と同時に無試験で国家試験を含む4つの資格(毒劇物取扱者責任者・化粧品総括製造販売責任者・化粧品製造業責任技術者・環境管理士(2級))を取得できるため、資格取得を目的とした方の入学も増えています。

今日の化学分析学科1年生は定性分析実験の1項目、第4族の実験を行いました。
定性分析実験ではいろんな金属イオンを性質によって6つのグループに分けて調べます。

今日扱う第4族はアルカリ性溶液にして硫化水素ガスを作用させると沈殿をつくる金属のグループです。

温泉に行くと硫黄の臭いにおいがしますが、硫化水素はそのにおいのもととなる物質です。
様々な金属と反応して沈殿を生じるので、化学実験で分離分析を行うときにはよく用いられます。

また今日扱った第4族に含まれる金属イオンは様々な色をしていたり、確認実験をするときにも様々な色の変化が見られる興味深い金属イオンのグループです。

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最初はアルカリ性にする調製がうまく行っておらず、目的とする沈殿が得られませんでしたがM先生に相談し、原因が判明してからはバリバリ実験を進めていきます。

コバルト、ニッケル、亜鉛、そしてマンガンと分離をし、確認を進めます。
最後にマンガンの確認を行う際に、ビスマス酸ナトリウムという物質を入れると、溶液がきれいな赤紫色に変化しました。
AさんやEさんが色の変化を見て実験成功を喜んでいました。

この溶液の色は過マンガン酸イオンが生じたときの色で、過マンガン酸イオンは今後に実験でもよく出てくる薬品です。この鮮やかな赤紫色が付いたり消えたりすることで、『酸化・還元』について調べることができるのです。IMG_6456.jpg

高校時代に学んだ化学は暗記科目、という印象だったかも知れませんが、様々な実験を経験していくと『ある実験のある反応は、別の実験で用いている原理と関係がある』ということに気づき、細切れの知識ではなく体系的に化学を理解できるようになっていきます。

これからも1つ1つ実験の経験を通じて知識を積み上げていきましょう。

by ドラいちろう