せんせのブログ

DNAを増やす「PCR」実験!

2022.05.18

本日は、2年生の実験の様子をお伝えします!
1年生では器具の名称から学びしっかり基礎的な事を身につけた2年生は、
4月から各学科でより専門的な実験を行っています。
今日のブログで紹介するのは、DNAの分析を行う際に欠かせない技術でもある
「PCR」という分析技術を学んでいる学生たちの様子です。
下の写真は、初めて見た分析装置の使い方を聞きいているところです。
少人数に分かれて行っているので、じっくりと見て聞いて触って理解を深めることができます。
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最近では、新型コロナウイルス感染症の検査の1つで「PCR検査」という言葉が使われるようになりました。
これに伴い「PCR」という言葉をたくさん耳にするようになったと思います。
「PCR」を簡単に言うと、DNAを増やす反応です。
例えば、新型コロナウイルスで行う「PCR検査」では、採取した唾液などに新型コロナウイルスのDNAが含まれていれば、
「PCR」という反応にかけることでDNAが増えて陽性と判定され、逆に無ければ増えずに陰性と判定されます。

IMG_E3963.JPG

先生から説明を受けたことを、しっかり実験ノートに記録していました。
下の写真は少しずつ慣れてきたピペッターという器具を使って、
極少量のサンプルを取り扱っている様子です。慎重にサンプルを吸い上げて取り出しています。
IMG_E3965.JPG

サンプルや試薬は、氷の上で保管しながら実験を進めます。
IMG_E3960.JPG

DNAが増えたかどうかは、直接サンプルを見ても分からないため、視覚化するために電気泳動という実験を行います。
ここでも少量のサンプルを慎重に扱い、操作を行っていきます。
下の写真で学生が行っているのは、小さな穴の中に、DNAのサンプルを注入している様子です。
IMG_E3967.JPG

そして、注入されたDNAはまだ見えませんが、ちょっと電気を流して、さらにもうひと手間加えると、、、
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下の写真のような結果が得られます。
白い線がいくつか見えていると思いますが、これがDNAです。
この結果を見て、自分たちの行った「PCR」という実験でDNAが増えたことが分かるのです。
ちなみに、今回の実験はすべて成功しています。
342388.jpg

最後に上の写真のような結果を見て、成功したかどうかが分かるのですが、
逆に言えば、そこまでは成功しているかどうかも分かりません。
DNAという見えないサンプルを扱っているため、最後の結果を見るときはドキドキします。
下の動画では、その結果を見る時の様子を撮影したものです。

歓声は控えめでしたが、「おぉ!」っと声が漏れました!

こうして少しずつ専門分野の技術をしっかり身につけて、希望する卒業研究でさらに磨きをかけていきます。
1年前は実験器具の名前も扱い方も分からなかった学生が成長していることを実感しますが、
さらに磨きをかけて、希望の就職先でも活躍してもらいたいと思います!

by シュリンプ