せんせのブログ

国内研修旅行 第三日目 〜日本の分析化学の起源を学ぶ〜

2022.03.22

国内研修旅行3日目です!
3月16日に始まった2泊3日の旅も、今日で最終日となりました。
今年度の行き先は、岡山県と兵庫県です。1年間切磋琢磨してきた仲間達と共に過ごす時間を楽しみながら、
就職活動や大学編入学試験に向けた準備を進めていく、2年間の中でも特に内容の濃い3日間となっています。

【国内研修旅行1日目と2日目の様子は↓↓コチラから↓↓】
・国内研修旅行 第一日目~自分自身と向き合うために〜
・国内研修旅行 第二日目~東京から岡山へ先輩が!~

国内研修旅行は例年2月中旬に行っていますが、新型コロナウイルスオミクロン株の流行に伴い、
まずは一旦3月に延期をした上で、慎重に実施計画を練ってきました。
バスの定員は半分以下、宿の部屋は定員より少なくし、食事の際は黙食を徹底。
検温は日に数回行い、学生に体調を記入する健康管理票を渡し、随時教員が確認をしました。
アルコール消毒もその都度行いました。
こうして旅程中、学生は体調不良を訴えることなく、3日間を過ごすことができました。

3日目は、雨天になりましたが、密を避けながらの以下の見学先へ行きました。
1つ目は、岡山県津山市にある「津山城跡の散策」と、
「津山洋学資料館」の見学を大きく2つのグループに分けながら行いました。
まずは、津山洋学資料館の見学の様子です!

館内での感染対策に関する諸注意も受け、見学がスタートしました。

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館内の展示品の詳細な写真撮影はできないため、
見学の様子のみの写真となりますが、学生たちが興味深くみているのは
今の日本の化学の礎を築いた偉人が紹介されている資料です。

ここでは数々の津山にゆかりのある偉人が紹介されていますが、
その中でも「宇田川 榕菴(うだがわ ようあん)」という人物が江戸時代に活躍しました。
この方は、解体新書などで有名な杉田玄白と共に生き、当時の洋学(蘭学)から、今の化学の用語を作りました。
例を上げるなら「酸素」「水素」「酸化」「元素」など、
私たちが日々目にする化学用語をオランダ語から日本語に訳し、または創ったのが「宇田川榕菴」なのです。
この他にも、コーヒーの「珈琲」という漢字や「花粉」という言葉を創ったのもこの方です。

他にも植物から有効成分を抽出する実験を自ら器具を組み立てて行うなど、
実際に分析実験もされ、分析化学の基礎を創った方とも言えます!

別行動で同時に散策をした津山城跡では、天守閣はないものの、
備中櫓や石垣が残っており、江戸当時の津山を感じることが出来ます。
津山は、江戸や長崎の流通の中間地点にあり、様々な情報や文化が入ってきた土地と言われています。
雨で足場が悪く、登るのに一苦労でしたが、登りきると津山市を見渡せる景色が見れました!
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また、備中櫓の中も見学できました。
一般的な櫓と違い、倉庫や見張り台といった目的でなく、
住居として利用されていたので、畳が敷かれ、茶室など設けられています。
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午後からは、帰路につきながら兵庫県の「生野銀山」へ行きました。
生野銀山は、佐渡金山、石見銀山と並ぶ江戸時代の銀が得られる貴重な採掘場所でした。

下の写真は坑道の入り口です。
大きさは様々ですが、長さだけでいうと掘られた長さはなんと!350kmにも及ぶのだそうです。

坑道の中はヒンヤリとした冷たさを感じますが、
その当時の採掘の様子や歴史を感じることができる施設でした(^ ^)
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こうして2泊3日の研修旅行も終わりました。
最後に1年健康化学分析学科Oさんに3日間の感想を聞いてみました。

Oさんのように色々気付き、感じてくれたことは本当に嬉しく思います。

3日間、学生達は様々なことに取り組み・学んできました。
それらができたのは、学生達がコロナ対策にしっかりと取り組んでくれたおかげだと、
我々教員も心の底から感謝しています。

さて、これから本格的に始まる就職活動や大学編入学試験。
その他、2年生に進級し授業や実験など時に悩むこともあると思います。
この研修旅行中で周りには同じ志を持った仲間がいて、
困った時には、我々教職員が全力でサポートを再認識できたと思います。
2年間の中でも特に内容の濃い3日間で得た経験を活かして、これからの学生生活を送ってください!

By サブロー