せんせのブログ

高校の先生が一同に!第22回授業で使える化学実験会

2021.08.04

本校ではすでに学生が夏期休暇に入っている中、
今日は本校主催で第22回目となる『授業で使える化学実験会』を実施しました。
年に一度のイベントですから、もう22年目。
このタイトルになる以前からの実験会を含めると40年近くにおよぶイベントです。
看板.jpg
(夏期休暇の学生たちも手伝いに来てくれました)

本実験会は高等学校の先生を対象に、生徒に興味を持ってもらえるような実験をするには
どのような実験をどのように実施すればよいか、を発信する会となっています。

昨年度は対面での実施を避け、動画配信での実施となりましたが、
実験はやはりリアルで実施してこそですから、万全の感染症対策を講じた上で、対面での実験会を実施しました。
感染症対策.jpg



最初に校長先生から挨拶があり、名前や形は変わりながらも本実験会が40年近く続いていること、
数多くの先生方がリピーターとなって繰り返し参加して下さっていることなどを述べられました。
スライド説明(校長先生).jpg
また、スライドを使いながら、本校の昨年度から今年度にかけての取り組みや、
本校が化学や実験の知識・技術だけでなく、思考力や主体性、協働力といった
実務実践力を兼ね備えた人材を養成する場であることを紹介しました。

さて、肝心の実験が、と言うと今回は以下の5種類の実験を提供しました。

1.コーラで泡泡選手権!
2.色のメトロノーム
3.スポーツドリンクが忍者になった
4.緑茶を化学する
5.キンキンに夏を冷やそう

名前を聞いただけでは何の実験なのかサッパリ分かりませんね!

1.コーラで泡泡選手権!
コーラで泡泡選手権.JPG
こちらはメントスコーラとかメントスガイザーと呼ばれる現象を利用した実験です。
動画等で見たことがあるひとも多いでしょうか。
普通のコーラよりもダイエットコークの方が激しく泡立つとか、そもそも何が原因で泡が発生するか、などご存知ですか?
ヒントは界面活性剤と多孔質です。

2. 色のメトロノーム
色のメトロノーム.JPG
ジャガイモで同じようなことをやったことがあるでしょうか?
ヨウ素でんぷん反応を利用した、メトロノームをモチーフにした実験です。
次々と時間通りに色が変わっていく様に見入ってしまう参加者も。

3.スポーツドリンクが忍者になった
スポーツドリンクが忍者になった.JPG
スポーツドリンクに色を付けて...数十秒後には色が消える、
そこで容器を振り混ぜると何故か色が復活。
しかしながら再び数十秒後には色が消える、そんな実験です。
着色料として使ったメチレンブルーの酸化還元反応によって起こる現象を利用しています。

4.緑茶を化学する
緑茶を化学する.JPG
緑茶、紅茶、ウーロン茶。
実はこれら全て同じお茶っ葉から出来ているってご存知でしたか?
というわけで、緑茶を紅茶やウーロン茶にしてしまおうという実験です。
ちなみに、果物を使って変化させます。何がどうなっているのか、想像できますか?

5.キンキンに夏を冷やそう
キンキンに夏を冷やそう!.JPG
化学反応の中にはさまざまな種類のものがあり、中には周囲から熱を奪う反応(吸熱反応)もあります。
尿素や硝酸アンモニウムを使って吸熱反応を起こし、実際に冷たくなることを体験していただきました。
夏にこそ映える実験です。

実験が終わった後は化学教育に関する情報交換会を行いました。
情報交換会会場入り口.JPG
「あの実験はもっとこうすれば良いのではないか」
「この薬品を使った方が見栄えが良いのでは?」
といった実験方法の改善案だけでなく
「次年度からの探究活動をどうするか、正直悩んでいます。
 評価方法とかも中々難しくて...。」
「GIGAスクール構想の利活用について、学校間での差が著しいですね。」
といった高校の先生ならではの悩みも聞くことが出来ました。
情報交換会.JPG

実施してみて感じたことは、今日参加いただいた先生、みなさん本当に実験が好きだ!ということです。
そして、生徒達に実験の楽しさを伝えたり、あるいは実験を学びの場として活用したりするために、
何をどうすれば良いか、みなさん必死で考えている、ということです。

協力学生.jpg
今日は我々教員だけでなく、本校の学生達も応援に来てくれました。
中には高校の時の先生が実験会に参加されるというケースもあります。

今年度の実験会、盛況に終えることが出来ました。
本校の実験会が、参加者のみなさんの今後に役立てば何よりです。
そして、次年度以降も実施していく予定です。
今回参加された先生方はもちろん、諸事情でご参加出来なかった先生方も、
ぜひ次年度ご参加下さい。

byカトキチ