せんせのブログ

【土・日開講「化学分析学科」】カニのハサミで分析?!

2020.09.29

今日の分析化学応用学科1年生(2021年度より化学分析学科へ名称変更予定)は、
午後から定性・定量分析実験の時間でした。今日のテーマはキレート滴定です。
化学になじみのない方も中和滴定の『中和』や酸化還元滴定の『酸化』という言葉はご存じだと思いますが、
キレートという言葉はご存じない方が多いと思います。

キレートとはギリシャ語で『カニのハサミ』を意味する言葉を語源としているのですが、
実験に使う物質があたかも金属イオンをカニのハサミのように挟み込むところから、
こんな名前が付けられている実験です。

何をやるのかというと、金属イオンの量を中和滴定などと同様に滴定で求める方法です。
ミネラルウォーターの硬水・軟水を調べる硬度測定などにも用いられる方法です。

IMG_7852.jpg

始めて行う実験ですが、使うガラス器具類はこれまで何度も使ってきたものでもう操作は慣れています。
違うのは反応の終わりの見極め方。
反応が終わったときにどんな色の変化をするかが違いです(というのは言い過ぎでしょうか?)。

指導担当のM先生に何人もの学生が『先生、この色でいいですか?』と確認に来ます。
『まだ少し赤いなぁ』『それでオッケー!』とそれぞれ判定してもらいながら、
自分でも判断できるように繰り返し実験を行います。

すぐに質問できてすぐに答えてもらえる。
これも1クラス20名の少人数制で行っている学科のメリットですね。

金属系の会社で勤めながら土日に分析化学応用学科(次年度より化学分析学科)に通うS君は、
実験中『明日、会社でもキレート滴定なんですよ。』と話してくれました。

彼にとっては仕事でよく使う技術ですが、他の学生からすると、
企業で働いている人が日常的に使う技術をマスターできているんだ、という自信につながっていったようです。

次週はもう10月。後期に入ります。半年間よく頑張りました。後期も引き続き体調に
気をつけながらがんばりましょう。

by ドラいちろう