せんせのブログ

【土・日開講「分析化学応用学科」】大事な実験操作の反復で、実験技術を向上!

2018.08.18

「分析化学応用学科」では、化学初心者の方でも
実験技術を確実に修得できるよう、大事な実験操作は
何度も繰り返し行います。
そうすることで、実験技術が自然と身に付き、
実験も楽しく取り組めるようになります。
まずは、このような特徴のある「分析化学応用学科」
についてご紹介します。

本校では、平日の学科には通学できない社会人や
大学生等を対象とした、週末(土曜・日曜)開講の
「分析化学応用学科」を設置しています。

土曜日・日曜日の時間を有効に活用することで、
化学分析の知識・技術を修得することができ、
平日の学科で学ぶ環境・材料・バイオ・食品・医薬品・
化粧品・有機合成等についての専門分野を
総合的に学ぶことができます。

また、週末だけの通学ですが、平日の学科・コース
と同様に2年間で卒業でき、毒物劇物取扱責任者、
化粧品製造業責任技術者、化粧品総括製造販売責任者の
国家資格を卒業と同時に無試験で取得することが可能です。

この学科に在籍する学生は入学目的も様々です。
現職でのスキルアップや技術職への就職・転職を考えている方、
事業拡大を考えている経営層といった社会人の方、
就職活動を見据えて技術力を高める目的で
大学生も入学しています。
こういった多様な目的に対応するために、
このコースは学年定員20名の少数精鋭で開講しています。

今日1年生は、前回の重量分析の続きを行いました。
(前回の実験の様子はこちらをご覧ください)

前回の実験では、サンプル中に含まれる鉄を沈殿に変えましたが、
今回は、その沈殿をろ紙ごと坩堝(るつぼ)という容器の中に
移して強熱していきます。
そして、組成が一定の化合物になった段階で、
その質量を電子天秤で正確に量ります。

このように重量分析は、測定したい成分の量を直接天秤で量る
ことで求められる唯一の分析方法です。
そのため、とても重要な化学分析の手法のうちの1つ
となっていますが、操作を行う上でのコツが数多くあり、
繊細な操作が必要とされます。
そのため、この重量分析の実験を行うことで、
数多くの分析技術を身につけることができます。

P1070171.JPG

学生たちは前回から何度も反復して、坩堝を扱う実験操作を
行ってきましたので、実験器具の扱い方や操作を行う上でのコツも
しっかりと身につけています(上の写真)。
このように「分析化学応用学科」では、大事な実験操作については、
完全に自分自身の技術になるよう、何度も反復する機会を設けています。
これにより、技術を深く学ぶことができ、実務で通用する分析技術を
修得することができます。

DSC_6204.JPG

上の写真が、鉄の沈殿をろ紙ごと坩堝という容器の中に移して
強熱している時の様子です。
坩堝をただ加熱しているだけのように見えますが、
坩堝の置き方一つでも実験結果に大きな影響を与えますので、
慎重な操作が必要です。
学生たちは、前回の実験で学んだ実験操作上の注意点を
しっかり守りながら実験をスムーズに進めていました。

DSC_6200.JPG

また、実験の合間には他のメンバー同士で、
実験結果の考察をしていました(上の写真)。
分析化学応用学科1年のOさん(上の写真右から2番目)
に話を聞いてみると、

 「互いに意見を出し合うことで、また違った観点から
  実験結果を考察することができるので、自分自身の視野が
  
広がります。こうやってみんなで実験結果を考察することも
  
実験の楽しみの一つになっています。」

という話を聞くことができました。

同じく分析化学応用学科1年のYさん(上の写真左端)にも
今日の実験の感想を聞いてみると、

 「重量分析も、苦手だった溶液調製も、だんだんコツがつかめてきたので、
  
実験がとても楽しいです。何度も実験操作を繰り返しすることが
  
自分自身の技術の向上につながっています!」

といった感想を聞かせてくれました。

学生の皆さん、分析技術は確かに向上していますが、
今の実験技術に満足することなく、さらに高みを目指してください。
そのために我々教員も全力でサポートしていきます!

By しろいるか