せんせのブログ

【土・日開講「分析化学応用学科」】土日学科ならではの実験!就職分野を見据えた技能修得

2018.01.07

土日学科の1年生は、これまでに修得した技能がどのような分野で活用できるのかを体験し、
かつ就職等を希望する分野の実務の一端を経験できる「応用分析化学実験」に取り組みました。
平日設置の学科は2年生になってから、学科毎に専門分野の実験を行いますが、土日学科では
1年次から、環境・食品・医薬品・化粧品・材料等の分野について実サンプルを用いた実験を
行います。まさに、多種多様な分野に対応できる人材を育成する土日学科ならではの実験です。

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本校では、社会人や大学生など、平日に通学できない方を対象とした、土曜日・日曜日開講の
「分析化学応用学科」を設置し、技術職への就職・転職、現職でのキャリアアップ、勤務先や
自身が経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得など、多様なニーズに対応しています。

週末のみの開講ですが、2年間の通学で卒業が可能で、卒業と同時に無試験で3つの国家資格
(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者)を全員が取得
できることは平日開講の学科と同様です。ただ、学生がこの学科での学習内容を活かしたいと
考えている職業分野は、環境・材料・食品・医薬品・バイオ・化粧品・有機合成...等と幅広く、
それらの業界ニーズにも対応するために、入学定員を20名として少数精鋭で開講しています。

今日の実験は「環境分野」で、実験テーマは水中の酸素濃度(溶存酸素)の測定です。生物の
生存条件に関係するだけでなく、生活環境の状況を判定する環境基準の項目にもなっています。
環境分析の仕事では、水が有機物によってどれだけ汚濁しているかを示すBOD(生物化学的
酸素消費量)の測定にも今回の溶存酸素の測定方法が用いられています。

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先ずは、サンプリングです。本校のすぐ横を流れる旧淀川(大川)の水を環境分析の仕事でも
使用するバンドーン採水器を用いて採水します。特に、環境分析の仕事はサンプリングで失敗
すると、その後どれだけ正確に分析しても全く意味がありませんので、非常に重要な操作です。

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次に実験室に戻り、溶存酸素を沈殿物の酸化反応に利用して固定します。ここには定性分析で
学んだ理論が利用されています。最後は、定量分析実験で基礎を学んでいる酸化還元滴定です。

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環境分析の実務と同様に、JIS(日本工業規格)にしたがって一連の操作を行いましたが、
環境計量証明事業所への就職を入学目的としているK君(上の写真)に感想を聞きました。

 『環境分野の実験であったこと、採水器やフラン瓶など専用の装置・器具を用いたことで
  環境分析の実務を経験できたのでとても楽しかったです。ただ、気泡を入れないように
  操作するなど、難しいこともあったので、経験を積んで上手になりたいとも思いました。
  これまでに学んだ技術や知識の組み合わせが実務的な技術につながっていることも実感
  できたので、これからの実験でもっと技術を吸収していきたいと思います。』

1年次としての実験もあと2ヶ月ですが、実際のサンプルを使用した実験も少なくありません。
1年間のまとめをしっかり行い、希望している分野への就職などを叶えてほしいと思います。

by あずみ

明日は祝日(成人の日)で休校であり、ブログの更新はありません。
次の更新は1月9日(火)です。お楽しみに♪