せんせのブログ
【土・日開講「化学分析学科」】公害病について理解を深めよう!
2025.04.21
本校には土曜日、日曜日だけで開講している『化学分析学科』という学科があります。
専門学校と言えば、高校卒業後すぐに進学する学校と考えて居られる方も多いと思いますが、この化学分析学科には幅広い年齢層の学生が通学しています。この学科は、平日開講の学科に通学できない社会人やダブルスクールの大学生、フリーターや主婦などにも門戸を広げ、リカレント教育や資格取得の勉強をしています。『高校を卒業していること』が入学要件ですので、高校を卒業してすぐに入学してきた学生もおり、今年度は各学年に1名ずついます。入学してくる学生達の目標は様々で、本校で分析化学の知識と技術を学んで就職や転職を目指している方や、化学や化粧品に関する資格取得を目的としている学生が多い印象です。
平日開講学科と同様に2年間で卒業でき、卒業と同時に無試験で国家試験を含む4つの資格(毒劇物取扱者責任者・化粧品総括製造販売責任者・化粧品製造業責任技術者・環境管理士(2級))を取得できます。そのため近年は資格取得を目的とした方の入学が増えているよう思います。
毎週土曜日・日曜日の2日のみの通学で、平日開講学科と同様に2年間で卒業できるようにするため、1日の授業時間数は多くなりますが、それでも他校にはない特徴の学科と言うことで、例年全国各地から学生が入学しています。京阪神地区の学生が多いですが、遠方から週末だけ登校し土曜日の夜は大阪で一泊して日曜日の授業が終われば地元に帰るという生活をしている学生もいます。
今週の土日は実験は無く、全部座学の日でした。
一日中授業と言うことで『お尻が痛い』という声も聞こえますが、午後から実験の日は実験の予習が気になったり、レポートが気になる人もいるので、私は授業だけの日もありだなぁ、と感じています。
今日の1時間目はU先生の授業でした。U先生は本校の第4期の卒業生。これまでいくつかの会社で分析に関わるお仕事をしてこられた先生です。学生達から見ると本校で学んだ後、どのような分析技術者になれるかを知るお手本のような存在です。U先生からは授業のことだけでなく、様々ことを学ぶことができると思います。
午後からはY先生の授業でした。環境化学について教えて頂いています。
中学高校の社会科の中で日本の『四大公害病』について学んだと思いますが、それらには化学物質が深く関わっています。公害病の原因はどんな物質なのか、何故そのようなものが発生したのか、現在はどのような対策が取られているのか、説明がありました。
学生達は、化学的な視点をもって社会をみつめる目を持つことできるようになったのではないでしょうか。
ちなみに本校の創立初期に本校でご尽力いただいた先生に森井ふじ先生という方が居られます。森井先生はイタイイタイ病の原因がカドミウムであるということを突き止める研究をした方です。そのような公害病に取り組んだ先生の教えを受け継ぐ学校ですので、みなさんもしっかりと知識を身に付けて、企業で分析化学者として活躍してくださいね。
by ドラいちろう