せんせのブログ

【土・日開講「化学分析学科」】河川の水質を調べよう

2023.05.21

本校には土曜日、日曜日だけで開講している『化学分析学科』という学科があります。

この学科は高校卒業すぐに入学することも出来ますが、平日開講の学科に通学できない社会人やダブルスクールの大学生、フリーターや主婦などにも門戸を広げ、リカレント教育や資格取得の勉強をするための学科です。
入学してくる学生達の目標は様々で、本校で分析化学の知識と技術を学んで就職や転職を目指している者や、化学や化粧品に関する資格取得を目的としている学生が多い印象です。

平日開講学科と同様に2年間で卒業でき、卒業と同時に無試験で国家試験を含む4つの資格(毒劇物取扱者責任者・化粧品総括製造販売責任者・化粧品製造業責任技術者・環境管理士(2級))を取得できます。そのため近年は資格取得を目的とした方の入学が増えているよう思います。

毎週土日の2日のみの通学で、平日開講学科と同様に2年間で卒業するため、1日の授業時間数は多くなりますが、それでも他校にはない特徴の学科と言うことで、例年全国各地から学生が入学しています。京阪神地区の学生が多いですが、愛知県や徳島県から週末だけ登校し土曜日の夜は大阪で一泊して日曜日の授業が終われば地元に帰るという生活をしている学生もいます。

今日の2年生は、応用分析化学実験で学校の前を流れる大川の水質分析を行いました。水質の測定にも様々な項目がありますが、本日の項目は『りん』の量の測定です。りんは肥料などにも必要とされる元素です。りんの濃度が多すぎると『富栄養化』と言う現象が起こり、植物性プランクトンが大量発生し、その水域の魚が死んでしまったりしますので、りんの濃度の測定は重要です。

2年生のHさんは、お仕事でも水質に関する業務をしており、学校で学ぶ実験などが仕事の理解に役立つとのことで、2年生での授業・実験には充実感を感じているようです。実験中にも疑問点はどんどん質問して、スキルアップを目指してくださいね。

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河川水中のりんは、有機物形で含まれていたり、無機物の形で含まれていたり様々です。

最初に硝酸や硫酸で分解して、すべて無機物のリン酸イオンに変換して、その後にモリブデン酸という物質と反応させて測定します。モリブデンと反応すると、青い溶液になり、この色の濃さで分析できるのです。

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さて、今日の大川の水質はどうだったでしょうか?結果は来週のレポートで確認したいと思います。

これからも様々な実験を経験して、卒業研究にもすすんでいきます。応用分析化学実験の経験を反映してテーマも検討していきましょう。

by ドラいちろう。