せんせのブログ

VR実験をリアル実験に活かす! ~文部科学省委託事業~

2022.12.21

今日は、本校学生14名と大阪高校の生徒さん8名に実験室で「リアルに実験」を行ってもらいました。
下の写真は中和滴定という実験を行っている様子です。普段、本校で実験を行っていることと変わりはありませんが、今回は少し前提が違います。
1671544066565.jpg

普段の実験は、当然ながら「リアル」に現実世界で行っていますが、現在本校では「化学実験をVRでできるようにしよう!」という試みをしています。
このVR技術を使い、リアルな実験に臨む前に予習をすることで、リアルな実験の学習効果を高めようとしています。昨日は本校学生7名と高校生4名がVR学習に取り組み、今日の実験に臨んでもらいました。
昨日のVRを使って事前学習を行った様子はこちらをご覧ください。
▼高校生も一緒にVRで実験! ~文部科学省委託事業~

この試みは、昨年度より文部科学省から委託を受けて実施している事業で「専修学校における先端技術利活用実証研究」(専修学校遠隔教育導入モデル構築プロジェクト)の1つ、「化学分野等における先端技術を活用した実習科目の遠隔教育モデル構築事業」として取り組んでいるものです。

昨日より2日間かけて行っているこの実験は、本校の1年生と、化学実験を行ったことがないという大阪高校の1年生にも協力をいただいて実証講座として実施したものです。
下の写真は大阪高校の生徒さんに今日の内容を説明をしている様子です。
1671571170079.jpg

今回の実証講座は、対象の学生や生徒さんを次の2つのグループに分けました。
①eラーニング教材とVRを用いて事前に手順を学習をして実験をするグループ
②テキストで事前に手順を学習をして実験をするグループ

これらのグループが、それぞれリアルな実験に取り組んだとき、どの程度の学習効果に差がみられるのか、つまりeラーニングやVRがどのくらい教育効果を発揮できるのかを判定することを目的としました。
改めて今日は、この事前学習したグループ①と、テキストで事前学習したグループ②の全員がリアルな実験に取り組んだわけです。
1671544072941.jpg

実験では、実験器具の取り扱い方、実験にかかった時間、そして今回行った中和滴定という実験が正確にできているかを私たち講師が確認し評価しました。

結果はこれから詳細に解析しますが、事前にVRで学習したグループ①の方が、全体的には良い結果となる傾向が見られました。
学生たちも、VRで学べたことはとても楽しかったと話してくれました。一方で、普段からリアルで実験をしたことのある本校の学生は、ゲームのような操作性が求めらるVRという環境での実験にもどかしさも感じていたようです。「もっとVRを試せる時間があれば、操作にも慣れたのになぁ」という意見も聞かせてくれました。

学生のコメントはこちらの動画からご覧ください。


検証する「リアル実験」は終わりましたが、グループ②の学生や生徒さんはVR学習を体験したことがなかったので、リアル実験の後にVR実験を体験してもらいました。
1671571189758.jpg

今日は教室の後ろでVR実験を体験しておられる校長先生の姿も!
1671571197672.jpg

みなさん、真剣に取り組んでおられました。リアル実験とは勝手が異なるため、毎回奇妙な動きをすることになるのですが、楽しんで取り組んでいました。この模様は動画でもご覧ください。


こうして全ての実証講座は、無事に終了しました。
改めて今回協力いただいた大阪高校の生徒さん、そして本校学生のみなさん、ありがとうございました。
実験をVRで学ぼうとするこの試みは、日本でも本校だけ、世界的にも初めてかもしれない取り組みです。
この結果をさらに検証していき、成果としてご報告いたしますので、楽しみにお待ちください!

By ぽてと