せんせのブログ

【土・日開講「化学分析学科」】学校前の河川の水質調査

2021.04.10

今週も週末となりました。
世の中では『平日のお仕事を終えてひと休み』と思っている方も多いと思いますが、
本校では技術の修得や資格取得のために土曜日・日曜日に登校して勉強に励んでいる学生達がいます。

この土曜日・日曜日だけの通学で、文部科学大臣から専門士の称号を付与され、
卒業と同時に国家資格を含む4つの資格(毒物劇物取扱責任者、化粧品製造業責任技術者、
化粧品総括製造販売責任者、環境管理士2級)の取得もできる『化学分析学科』について最初に紹介します。

この学科は、平日に通学できない方を対象とした学科で、
・お仕事の関係で化学の知識や薬品の取扱方法、分析機器の使用方法を学ぶ必要が出てきた方
・分析化学の技術を修得し正社員修得を目指すフリーターや非正規雇用の方
・現在のお仕事で必要となる資格を取得したい方、
・現在経営している会社の事業拡大のために資格取得を必要としている方
など様々な方を対象にしています。

入学する学生の背景はこのように様々ですし、学生の年齢層も幅広く1年生は20~60代、
2年生は10~70代の方が学んでいます。
年齢幅は広いですが、目的とすることは共通していますので、
思うほど世代間の壁のようなものは存在せず、休み時間などはみんな和気藹々としています。

またこの学科は1学年の定員20名の少人数制で実施しているため、
授業や実験で分からないことがあっても非常に質問や相談のしやすい環境だと言えます。

20年近く前であれば、社会人になってからの『学び直し』をするには、
大学の夜間部という選択肢もありましたが、今や夜間部をもつ大学は大幅に減少しています。
そういった方にとって化学分析学科は、学び直しや就職・転職のための勉強をするにはもってこいです。

今日はその化学分析学科でどのようなこと学んでいたか、実験の様子を紹介します。

1年生は先週に引き続き実験室で天秤の使い方やバーナーの使用方法など、基本的な操作を学んでいます。
またせっかくバーナーを使うのでガラス細工にもチャレンジしています。
ここで作成したかくはん棒は、2年間自分の実験で使用していく実験の相棒となります。

IMG_0315.jpg

※試薬を使わないので今日は特別に白衣を着用せずに入室しています。

2年生はもう本格的に実験が始まっています。

今日は河川水中に含まれる亜硝酸イオンの測定を行いました。
亜硝酸イオンの量を調べると河川の汚染状況が分かります。
汚染にもさまざまな汚染原因が考えられますが、
亜硝酸イオンの量からは河川流域の農地で過剰な肥料投与があったり、
畜産排泄物などの影響があるかどうかが分かります。

本校の前には大川という河川がありますので、そこから採水して実験を行いました。

IMG_0321.jpg

亜硝酸に反応する薬品を入れてよく混ぜると液が赤紫色に変化します。
色が濃いとそれだけ亜硝酸イオンが含まれていたことが分かるのです。

IMG_0324.jpg

実験してみると学校の前を流れる河川でも亜硝酸イオンが含まれることが分かりました。
ただ含まれているからといっても著しく汚染されているとは限りません。
問題ない濃度なのか、著しく汚染されているかの判定は、
レポート作成の過程で学生達は自分で調べることになっているので、ここで答えを書くにはいきません。

ひさびさの実験で学生達は少し計算に手間取っていたようですが、これから徐々に慣れていくことでしょう。
やはり実験も継続して何度も取り組んでいくことが重要です。

化学分析学科の学生は7月頃からは卒業研究が始まります。それに向けて腕を磨いていきましょう。

by ドラいちろう