せんせのブログ

余ったチョークの意外な使い方~卒業研究~

2019.12.16

今日は2年生の卒業研究を紹介します。
こちらの班では「チョークを用いた水質浄化」をテーマに卒業研究を
行っています。

学校生活に欠かせないチョークを使って、排水基準の項目である
リンやフッ素を効率よく除去することができるのかを調べています。

まずは実験に使うためにチョークを粉にします。
チョークは比較的柔らかいので、潰すのは簡単そうですが、
実は、実験に使う粉にするためにはちょっとしたコツがいります。
班の中で1番うまい!と言われているのは、このW君です。
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粉にしたチョークを廃液に見立てた
リン酸溶液やフッ化物の入った溶液に入れて、
数日間放置し、リンやフッ素を吸着させます。
その後、回収した溶液の中に、どれだけのリンやフッ素が
残っているかを調べることで、
チョークがどれだけ吸着したかを推定します。
実験は、いろいろな操作があるので、
いくつかの操作をしながら進めていきます。
下の写真は、「ろ過」という操作をしている様子です。
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こちらでは、リンを分析するための試薬の調整を行っていました。
1年生の後期で学ぶ「吸光光度法」を応用して、分析します。
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フッ素の分析では、JIS規格(国が決めた規格)にのっとり、
いくつかの操作を行ってから分析します。
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「JIS規格には書かれていないのですが、試薬の加え方に、
 コツがあって・・・」
とのことで、試行錯誤が続いています。
困っときはもちろん教員たちが相談にのりますが、
自分たちで試行錯誤していくのは、卒業研究の醍醐味でもあります。

なぜこのテーマを選んだのか学生に聞いてみると
「卒研では、水の浄化をテーマにしたいとずっと考えていました」
「廃棄物を使って水をきれいにする方法はいくつか知られていて、
 中でも貝殻を使った方法が有名です。その主成分は炭酸カルシウムです。
 自分たちの身近なもので何かないかと話し合っているときに、
 短くて使えなくなったチョークが目に留まって。
 これを使ってみよう!ということになりました。」

とのことでした。

試行錯誤を重ねていくうちに、卒業研究も終盤にさしかかってきました。
実験を行いながら、論文を書き、発表の準備も進めていくことになります。
2月に行われる卒業研究発表会では、良い結果を報告できるよう
あと少し、みんなで協力しながら取り組んでくださいね!
(^^)/

by かん太郎