せんせのブログ

【土・日開講「分析化学応用学科」】授業と実験の相乗効果で深まる知識と技術

2017.07.02

私たちの暮らしを豊かにし、安全・安心を守るために必要不可欠な分析化学という技術の
プロフェッショナルを育てる本校では、知識と技術の修得のため、授業とともに、数多く
の実験を行います。
特に、分析化学応用学科は少人数制なので、授業と実験の相乗効果をより一層高めることが
でき、確かな知識と技術の修得につながります。


ここで、まずは「分析化学応用学科」についてご紹介します。
分析化学応用学科とは平日に通学できない方を対象とした土曜日・日曜日開講の
学科です。週末を活用することで、平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、
毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の国家資格
も卒業と同時に全員が取得することができます。

この学科に在学する学生の入学目的は、例えば、技術職への就職や転職、現職での
キャリアアップやスキルアップ、勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家
資格の取得など多彩です。そして、多種多様な目的に対応するため、1学年あたりの
定員を20名として、少数精鋭で開講しています。


P1050891.JPG
写真は今週末に行われた2年生の実験の様子です。吸光光度計(光を吸収する物質の濃度
を測れる装置)を慣れた手つきで操作していました。

今回の実験は、pHによって色が変化する色素を用いて、実験から酸解離定数(溶液中に
存在している化学種の割合や物質の結合比を求める時によく使われる定数)を求めるという
実践的な内容です。

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用いた色素はpHにより変色するので、きれいなグラデーションになっています。
この溶液を順に測定すると、下の写真のように、全ての結果が1点できちんと交わり、
実験は大成功です!
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このように実践的な実験を成功させる技術は、どのようにして修得できたのでしょうか。
それは、授業と実験が、まるで車の両輪のように補い合い、相乗効果を発揮することで、
知識と技術を学んでいくことができるカリキュラムがあるからです。

数多くある分析機器の1つ1つについて、まずは「授業」で測定の原理や装置の構成など
の知識を学びます。
P1050901.JPG
今週末に行われた分析機器を学ぶ授業です。先ほどの実験で用いた吸光光度計と原子吸光
光度計(金属元素の濃度を測れる装置)の装置構成の違いを非常勤講師のI先生が説明して
います。

次に、「実験ガイダンス」で分析機器の概要を復習し、さらに実際の測定における注意点
や分析機器の特徴を踏まえた前処理の方法などを学びます。
つまり、このガイダンスが知識と技術の橋渡しの役目を担うのです。
さらに、先日のブログで紹介したように、分析化学応用学科は少人数制なので、ガイダンス
の時に実際の分析機器を見ながら説明を聞くことができ、より一層理解を深めることが
できます。

そして、「実験」で実際に分析機器を扱うことで技術を修得していきます。
分析化学応用学科では、1年生後期の前半で様々な分析機器の基本的な操作方法を学ぶ
実験を行います。
さらに、1年生後期の後半から2年生前期にかけて、食品や化粧品などの実試料を用いたり、
最初にご紹介した化学の定数を求めたりする実践的な実験を行います。
つまり、1つの分析機器を何度も操作することで、体が技術を覚えていきます。

このように、「授業」「実験ガイダンス」「基礎的実験」「実践的実験」とステップアップ
するようにカリキュラムが組んであるので、化学初心者の方でも自然と知識と技術を修得
することができるのです。

by みなと