せんせのブログ

知識の幅は実験での発見で拡げる!

2015.09.20

本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。

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この週末、1年生は「定性分析実験」に取り組みました。この実験は、調べようとする
溶液の中に「一体何が含まれているのか」化学反応を利用しながら調べていく実験です。
調べる対象は23種類の金属イオンですが、4月から化学の基礎的な実験に取り組み、
授業でも定性分析の理論について基礎から学んできましたので、今日の実験については
知識・技術の両面で予習はバッチリという状態で臨んでいます。学生の中には、平日の
仕事での技能を活用し、実験操作をわかりやすくCAD(製図ソフト)で図化している
学生もいます。テキストとして使えるのでは?と思ってしまう程、よくできています。

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しかしながら、テキスト通りの結果になるとは限らないのが実験。今回は、水銀やスズ、
アンチモン等の分離と確認を行いましたが、授業で「この試薬を加えると黄色の沈殿が
生じます」という説明を聞いていても、実際に沈殿が生じなかったり、別の色の沈殿が
生じてしまったり。そのような発見があるからこそ、実験は面白いのだと思いますし、
ベースとなる授業での理論に実験結果が上積みされ、技術だけでなく知識の引き出しも
増えていくのです。今日の実験操作を終えた学生たちは、時間のある限り実験の中での
新しい「発見」について、検証するための確認実験を行っていましたので、その感想を
聞いてみました。

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K君(写真左)
 『テキストや授業での説明通りにならないことがありました。金属イオンを分離する
  操作でイオンの濃度が低くなったり、その分離が不十分だったりしたことが原因と
  考えていますが、実験を振り返ってもう少し考察してみます。』

Tさん(写真右)
 『テキストや授業の解説では数行程度の説明ですが、実際に実験をしてみるとそこに
  深い理論があることが分かります。授業で学ぶ理論に実験での気付きを合わせると
  確かな知識と技術が身に付くのだと実感しました。』

教員の私も、実験指導を通して毎年新しい発見に出会います。定性分析実験はまだ始まったばかり
ですが、今後も実験の中で発見を繰り返して、技術はもちろんですが、知識の幅も拡げてほしいと
考えています。

by あずみ

※明日から三日間、祝日・国民の休日で学校はお休みです。
 次回の更新は9月24日(木)です。お楽しみに♪