せんせのブログ

技術修得に向けた、それぞれの学び

2014.07.05

実技試験に向けて、復習しよう!


本校の学生には、高校の時は文系クラスだった学生や商業高校出身の学生も
少なくありません。
そこで、本校では、平日の学科・コースの学生を対象に、本校入学まで化学を
ほとんど学んでいない学生や実験は好きだけど座学は苦手という学生の不安や
苦手意識を解消するために、土曜日を利用して、授業や実験の復習を行い、化学の
基礎を固める基礎化学講座を開講しています。

本日の講座は、定性分析実験の実技試験対策でした。
現在、平日の学科・コースの1年生は試料中に含まれる金属イオンを、化学反応を
駆使して検出する定性分析実験を行っています。
この定性分析実験は、化学分析に関する技能を証明する唯一の国家資格である化学分析
技能士の実技試験科目でもあるので、資格取得に向けた取り組みとして、この実験科目の
最後には実技試験を行っています。

普段の実験では、一つ一つの操作を確認し、化学反応を観察しながら、じっくりと
進めていきますが、実技試験では制限時間があるので、時間を有効に活用するために
複数の操作を同時に行う方法や化学反応の見極め方などテクニックやコツが必要と
なります。
そこで、本日の講座では、実験の流れや操作方法を再確認するとともに、テクニックや
コツを学び、実技試験に備えるのが目的です。

教室をのぞくと、実技試験を想定した演習問題に取り組んでいました。
実際に実験を行っていることをイメージし、操作手順などをフロー図に書いて、
実験の進め方を確認していました。
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全体の進み具合や学生からに質問に合わせて、バッテン先生から基礎的な実験操作、
テクニックやコツの説明は行われていました。
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さらに、本講座は少人数で行われているため、教員に個別に質問をしたり、友達同士
教え合ったりしながら、じっくりと学ぶことができます。
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本日の講座を終えた学生に声を掛けると
『これまでの実験では、金属イオンの性質ごとに分けて、化学反応を見てきました。
しかし、実技試験では、様々な性質の金属イオンが混ざった試料を分析するので、
これまでに学んだ実験手順をつなげて、実験を行う必要があります。今日の講座を
聞いて、全体の流れをイメージすることができ、さらに実験手順をつなげたことで
不要となる操作も分かったので、とても有意義でした。』
『実験を通して学んだ実験操作の基本や円滑に実験を進めるための方法を再確認
できた上に、時間を有効に利用するテクニックや、金属イオンの有無を判定する時の
コツも学べたので、とても良かったです。』
といった感想を話してくれました。

今日学んでことをしっかり復習して、自信を持って実技試験に臨んで下さいね。

金属イオンの性質を学ぼう


本校には、平日に通学できない社会人やフリーター、大学生等を対象とした
土曜日・日曜日開講の「化学分析コース」があり、技術職への就職や転職、
現職でのキャリアアップやスキルアップ、勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に
必要な国家資格の取得などの様々な入学目的を持った学生が在学しています。

このように多彩な入学目的を持つ学生に対応するため、化学分析コースは、
1学年あたりの定員を20名とする少数精鋭で開講しています。
また、土曜日・日曜日の通学で、平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、
毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の
国家資格も卒業と同時に全員が取得することができます。


化学分析コースの学生は様々な目的を持って入学していますが、資格取得は全員共通の
目的と言えます。
その中でも、先述の化学分析技能士の資格取得は化学分析コースの大きな目標といえます。

さらに、本校は技能試験の試験会場に指定されているため、2年間慣れ親しんだ実験室で
実技試験を受けることができます。また、厚生労働大臣の指定を受けているため、本校の
卒業生は2級の受験に必要な実務経験2年が免除されます。
そのため、昨年の試験には、化学分析コースの卒業生が東京から受験に来ていました。
(当日の様子はこちらをご覧ください)
ちなみに、彼は見事、1級に合格しました。

化学分析コースの1年生は7月下旬から定性分析実験が始まります。
この実験は、分析の基礎的な実験操作を多く含んでおり、さらに先にも述べたように
化学分析技能士の実技試験にもなりますので、しっかり技術を修得することが大切です。

本日行われた「無機定性分析法I 」では、定性分析実験に向けて、金属イオンの持つ性質や、
それぞれの性質に合わせた検出のための化学反応のさせ方、実際の実験での操作方法
などを学んでいます。
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准講師(非常勤)のM先生が学生への質問を織り交ぜながら、丁寧に説明しておられます。

学生からは
『金属に様々な性質はあることを知り、もうすぐ始まる定性分析実験で確かめることを
楽しみにしています。また、しっかり技術を修得できるように、今学んでいることを
きちんと復習して、実験に備えたいと思います。』
とコメントを話してくれました。

実験を通して、より多くの技術を、より確実に修得するためにも、授業で学んでことを
整理・復習して、実験に臨みましょう。

byみなと