せんせのブログ

国家資格取得へのプロセス

2014.02.15

本校では、平日の学科には通学できない社会人や大学生等を対象とした、週末(土曜日・日曜日)
開講の「化学分析コース」を設置しています。週末だけの通学となりますが、平日の学科と同様に
2年間で卒業でき、毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の
国家資格を卒業と同時に取得することができます。このコースに在籍する学生のほとんどは社会人
ですが、現職でのスキルアップや技術職への転職を入学目的とされる方、事業の拡大を考えている
経営層の方以外に、就職活動を見据えて技術力を高める目的で入学される大学生も在籍しています。
在校生の多種多様な入学目的を達成するために、このコースは20名の少数精鋭で開講しています。

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さて、化学分析コースの平成25年度も大詰めの時期となりました。今週と来週で
全ての授業・実験が終了します。講義科目の期末試験も終了し、1年生は午後から
「定性分析実験」の実技試験を受験しました。化学分析コースの学生は分析化学の
実務的な技能を保証する国家資格「技能士(化学分析)」の2級または1級取得を
目標とする学生が少なくありませんが、この技能士(化学分析)試験は筆記試験に
加えて実技試験が課せられます。今日、学生たちが取り組んでいる定性分析実験は
国家試験の科目でもあり、国家試験に向けた受験対策という位置付けでもあります。

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定性分析とは、調べようとするものの中に、何が含まれているのかを明らかにする
分析技術です。学生が化学反応を駆使して検出に努めた成分は金属イオンですが、
この定性分析が起源となって製品化されたものも少なくありません。例えば、柳の
樹皮などに含まれる成分の定性分析から解熱沈痛剤のアスピリンが開発されたり、
昆布に含まれる成分の定性分析から旨味調味料が開発されたりと、医薬品・食品・
材料・環境・バイオ・化粧品・・・といった、多種多様な分野で欠かせない技術です。

12月から今日の実技試験を合わせて合計4回の実技試験を実施しましたが、早々に
1級技能士の合格レベルに達した学生もいれば、そうでない学生もいました。今日が
実技試験の最終回ですが、本日の結果で全員が1級技能士の合格レベルに達しました。

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全ての成分を正確に分析できた学生の一人、Sさんの感想です。

  『2時間という限られた時間の中で、5つの金属成分を分析することは
   初めは無理だと思っていました。後期から始まった実験ですが今まで
   コツコツと取り組んできた結果、1時間強で分析できるスキルが身に
   付きました。予測しながら操作を進めること、力点の置き方に強弱を
   つけることなど、机上の学習では決して身に付かない技能を修得する
   ことができたと思います。この経験を活かし、技能士の国家試験にも
   挑戦したいと考えています。』

技能士の国家試験(実技試験)は、本校が指定会場となっています。今日、実技試験を受験した
実験室が国家試験会場になりますから、使い慣れた実験室で落ち着いて受験することができます。
この実験で学んだことを活かして、技能士(化学分析)資格の取得に挑戦して欲しいと思います!

by あずみ