2011.07.17
土曜日・日曜日のみ通学して化学分析の知識・技術が修得でき、また平日の学科・コースと同様に卒業も可能(卒業時に取得できる資格も取得可能)な化学分析コース。このコースは、定員20名の少人数制で、キャリアアップやスキルアップ、国家資格の取得、転職などを目的とした社会人や大学生が、今日も全国各地から通学しています。
本校では、講義を中心に理解力を深め、実験で実務に必要な判断力が身に付くようにカリキュラムを編成していますが、それらの成果を実践する場として「卒業研究」を実施しています。卒業論文の提出・卒業研究発表会(各リンクは昨年度の様子です)という最終段階までには様々なプロセスがあります。今日から、化学分析コースの2年生は卒業研究の予備試験をスタートしていますので、その様子を覗いてみました。
彼らの研究の目標は、泥水の中に含まれる土を凝集(粒子が寄り集まって塊になること)させて運搬しやすくするための凝集剤を食品廃棄物などから見つけ出そうというもの。例えば納豆のヌメヌメした成分(ポリグルタミン酸)は濁った水の中の浮遊物を凝集させて土壌と水分を分ける作用があります。こういった物質を探そうというのがこれからの課題なのです。
今日は予備試験として、天然素材(ポリグルタミン酸)を原料とした市販の凝集剤の凝集効果を確認すること、それと同時に水中の重金属濃度が減少するかどうかの確認を行っていました。この凝集効果を見たB君は「ポリグルタミン酸の凝集力がすごく、実際に見ることができて良かった。今後の卒業研究にも活かしたいと思います。」という感想を語っていました。
この研究が進めば、トンネル工事で出てくる多量の土砂を運搬するのにも役立ちますし、今なら被災地復興の土木工事にも役に立つ技術なのです。卒業研究は始まったばかりですが、将来に役立つ研究へとし、達成感を味わってもらえるようにサポートしますので、一緒に頑張りましょう!
by あずみ