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-実験 NO.264-

実験A-59 <縮んでひらいて発泡スチロールの巻>

所要時間
20分
投稿者
日本分析化学専門学校

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準備するもの

【使用器具】
・発泡スチロール
・ビーカー(50mL数個、300mL1個)
・駒込ピペット(2個)
・ガスバーナー(1台)
・金網(1枚)
・三脚(1台)
・割り箸(1本)

【使用試薬】
・エタノール
・リモネン(またはオレンジオイル)
・アセトン

実験の手順

【実験方法① 発泡スチロールの減容】
 

  1. ビーカーの中に細かく砕いた発泡スチロールを入れる。
  2. リモネン(またはオレンジオイル)を10mL加える。
  3. エタノールを10mL加え、しばらく静置する。
  4. さらに10mLエタノールを加え、ビーカー内の様子を見る。

     

【実験方法② 発泡スチロールの再発泡】
 

  1. 300mLビーカーに水を入れ、ガスバーナーで加熱しておく。
  2. ビーカーの中に細かく砕いた発泡スチロールを入れる。
  3. アセトンをごく少量入れ、割り箸でよくかき混ぜる。
  4. 得られた餅状の固形物を平らにする。
  5. 4.の固形物を1.の水浴内に入れ、固形物の様子を観察する。

アドバイス

  1. リモネンはとてもいい芳香(かおり)がありますが、食べることはできません。
    口に含まないでください。
  2. リモネンやオレンジオイルの代わりに、レモンやグレープフルーツなどの皮から抽出した液を用いることも可能です。

解説

【発泡スチロールの減容】
発泡スチロールは、白くて軽いのが特徴で、石油から作られたポリスチレン(PS)を小さな粒状にした原料ビーズを約50倍に発泡させてつくられるため、製品体積の約98%が空気で、原料はわずか2%の省資源な素材です。
さらに、発泡スチロールの持つ特性が、CO2削減やリサイクルなどの環境問題に対しても、『低炭素社会』『循環型社会』を両立させる「持続的発展が可能な社会」の実現へも貢献しています。

【発泡スチロールのリサイクル】
商品梱包用の緩衝材、断熱用建築素材、輸送用トレーなどなど現在多くの分野で使用されている発泡スチロールですが、細かく砕くと静電気を帯び、散乱しやすくなり、焼却すると有害物質が発生するため、熱で溶かす方法が処理に使用されています。
しかし近年、リモネン液に発泡スチロールを浸けて溶かす、リモネン式処理方法が開発されました。
リモネンはポリスチレンと構造が似ており、お互いの親和性が強いことから、リモネン液に浸けると発泡スチロールが溶けるという作用を利用した処理方法です。
発泡スチロールを環境に優しく処理するこの方法は、今後世界規模で普及することで、自然環境の保護が期待されています。

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