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-実験 NO.158-

実験A-11 <CDを使って虹を見ようの巻>

所要時間
20分
投稿者
日本分析化学専門学校

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準備するもの

【使用器具・薬品】
・ CDまたはDVD
・ ボール紙(厚さ2mm、大きさ約160mm×200mm)
・ カッターナイフ、定規
・ 黒マジックまたは黒のカッテイングシート
・ 白色蛍光灯、三波長型蛍光灯(パルック、ルピカなど)、白熱灯、街灯、水銀灯など

【材料の入手】
・ CD、DVD(どんなものでもよい。使用前に反射膜面をよく拭いて下さい)。
→大切なものは、傷つけるといけないので、使わないで下さい。雑誌の付録のいらなくなったものを使うと良い。
・ ボール紙(通常の段ボールの切れ端でよい。)
・ 黒のカッテイングシート(画材屋で購入可能)

実験の手順

  1. ボール紙の片面をマジックなどで黒く塗る。(片面に黒のカッテイングシートを貼っても良い。)
  2. 1のボール紙の長い方の辺の先端から5cmの中央部分に幅0.2mm、長さ70mm程度の細長い穴をカッターで開ける。(図1参照)(穴の幅が太すぎると使えません。)   カッターで開けた細長い穴(見にくいですが)  
  3. 白色蛍光灯の真下に立つ。
  4. CDのアルミニウム反射膜面(文字の書いていない方)を手前に向けて斜め(蛍光灯との角度が45度ぐらいになるように)に持ち、その上から2で作ったスリットを黒い面を下側にしてかぶせる(図2参照)。   蛍光灯の光が、スリットに入るように・・・  
  5. CDの位置と角度を変えて、CD上半分の中央部に虹色が見える位置を探す。
  6. 蛍光灯の白い像の周りに虹色が観察でき、更によく見ると、黄、緑、紫の明るい線が見える。これが白色蛍光灯の輝線スペクトルである。
  7. 同様にして、三波長型蛍光灯、白熱灯などのスペクトルを観察し、それぞれを比較する。
 

アドバイス

  1. スリットとして開ける穴の幅の微妙な違いによって分解能力や明るさが変化するので、幅を変えたスリットを何枚か作成しておき、一番良いものを用いると良い。
  2. 白色蛍光灯より三波長型蛍光灯の方がスペクトルが分かりやすい。
  3. 紫外線が強い光源もあるので目を痛めないように注意する。
  4. スリットの幅はかなり重要な要素を占めるのでスリット作成には、はさみでは代用できない。
  5. マジックで黒に塗ると、かなり時間がかかったり、ムラが出来やすいので、出来れば絵の具で塗ったほうが、早くきれいに塗れる。

解説

  1. 白色蛍光灯では蛍光体による虹色の連続スペクトルと水銀蒸気による波長580nmの黄、546nmの緑、435nmの紫の位置に強い輝線スペクトルが観察できます。
  2. 三波長型蛍光灯では、波長610nmの赤、540nmの緑、450nmの青の三色が幅広の輝線として観察できます。特に、この蛍光灯は赤色をきれいに出すことができ、演色性を高める工夫がなされています。
  3. CDでは、ポリカーボネート基板上に長さ0.9μmから3.3μm、幅0.5μm、深さ0.1μm(1μmは0.001mm)の小さなくぼみ(ビットという)が渦巻き状に刻まれています。  この渦巻きの間隔は1.6μmで、1mmあたり625本の溝が刻まれていることになります。  これは教材用に市販されている簡易分光器に使われている回折格子に刻まれている溝の数とほぼ同じなので、CDは回折格子として十分な性能を持つことが分かります。なお、回折格子というのはプリズムのようなもので、透明なガラスの一部分に一定間隔で傷をつけて光の通過する部分を周期的に縞状に作ったもので、光の屈折や分散を利用して、光を色毎に分けるます。
  4. 雨上がりに見られる虹は、空気中の細かい水滴が回折格子の役割を演じて太陽の光を分けるため、七色に見えるのです。また虹がアーチ状になっているのは太陽が球形だからです。
  5. プラスチック、ガラス、水晶などで作られた球体にこちら側の物体が移る現象があります。  この現象はレインボー散乱と呼ばれます。自転車の後ろに付いている反射板は実は小さいプラスチック球が張り合わされたもので、こちら側の車のヘッドライトがレインボー散乱して光っているため見える現象です。占い師が水晶球をかざして、「霊が写っている」というのは、科学的に考えるとレインボー散乱にすぎません。
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