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-実験 NO.200-

実験B-32 <大根パワーで発光の巻>

所要時間
30分
投稿者
日本分析化学専門学校

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準備するもの

【使用器具・薬品】
ダイコン(出来るだけ新鮮なものがよい。)、ルミノール、5%炭酸水素ナトリウム、オキシドール(または3%過酸化水素水)、赤血塩(ヘキサシアノ鉄(III)カリウム)、スパチュラ(小さな薬さじ)、試験管、シャーレ、駒込ピペット(スポイト)暗幕(またはアルミホイル)、テープ類

【材料の入手】
・ルミノール・・・・・・・・・・・・・・・・・薬品会社で購入依頼(1g、1,700円)
・炭酸水素ナトリウム・・・・・・・・・薬品会社で購入依頼(100g、1,100円)
・オキシドール・・・・・・・・・・・・・・薬局で購入依頼(500ml、570円)
・ヘキサシアノ鉄(III)カリウム ・・薬品会社で購入依頼(25g、1,100円)

実験の手順

操作1.準備
  1. 部屋の窓に暗幕をはり、照明を消すだけで真っ暗にできる状態にする。暗幕が無い場合は、アルミホイルを窓に貼るだけでも良い。
  2. 試験管にごく少量のルミノールをスパチュラで取り、5%炭酸水素ナトリウム9ml、オキシドール(3%過酸化水素水)3mlを加え、よく振り混ぜる。
  3. 大根を1cm角に切り、シャーレに並べる。 その際、切ったばかりのみずみずしい面を上に向けた方がよい。
操作2.ルミノール反応
     
  1. 操作1の3.で準備したシャーレ上の大根に、操作1の2.で調製した溶液をかける。照明を消してしばらくすると、幻想的な光が観察できます。
  2. しばらくすると、発光が弱くなってくるので、一旦、照明をつける。
  3. シャーレ上の大根に、赤血塩(ヘキサシアノ鉄(III)カリウム)を振りかけ、シャーレを軽くゆする。再び照明を消してしばらくすると、更に鮮やかな光が観測できます。 ※この発光はわずかな光量のため、通常のカメラでは記録は困難です。
下の写真はフラッシュを使用しています。 照明を消すと幻想的な光が観測できます  

アドバイス

  1. オキシドール(過酸化水素水)は封を開けて時間の経っていない、出来るだけ新しいものを使用してください。
  2. 今回観測されたのは青白い光でしたが、フルオロセインナトリウムやローダミンB、エオシンYなどの蛍光試薬の溶液を加えることにより、発光の色を変えることが出来ます。発光色の変換は、クラゲなど実際の生物でも見られます。

解説

  1. どうして大根が光ったのか? 大根にはペルオキシターゼという酵素が存在しています。この酵素が触媒として働き、ルミノールが過酸化水素と反応する際に発光するので、大根が光っているように見えたのです。この発光現象を「ルミノール反応」と呼びます。 今回はご家庭にある大根を利用しましたが、ペルオキシターゼの他に、遷移元素やその金属塩も同様の働きをします。ヘキサシアノ鉄(III)カリウムでも同様に発光したのはこのためです。ルミノール反応やホタルの発光は、発火や発熱を伴わないため冷光と呼ばれています。
  2. ルミノール反応の利用 映画やテレビのサスペンス等の殺人現場で、犯人が血液をきれいに拭き取ったにも関わらず、警察の鑑識官が液体をかけて青いランプを当てることにより血痕を見つけるシーンをご覧になったことがある方もいらっしゃると思います。実は、これもルミノール反応です。 人間の血液中にある赤血球には、ヘモグロビンと呼ばれるタンパク質が含まれています。このタンパク質には、ヘムという鉄を含む錯体が存在しており、ルミノール反応において触媒の働きをするのです。
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