実験B-9 <健康飲料中の鉄を分析しようの巻>
- 投稿者
- 日本分析化学専門学校
- 所要時間
- 30分
- 使用器具・薬品
- 【使用器具・薬品】
・ 硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)6水和物)モール塩)(7g)
・ 1,10-フェナントロリン塩酸塩(0.24g)
・ 塩酸(適量)
・ 塩化ヒドロキシルアンモニウム(10g)
・ 酢酸(適量)
・ 酢酸ナトリウム(0.84g)
・ メスフラスコ
・ ビーカー
・ 比色管(共栓付試験管でも可)
・ ホールピペット
・ 鉄分入り健康飲料
【材料の入手】
・ 硫酸アンモニウム鉄(Ⅱ)・6水和物(モール塩)(500g:1,500円)
・ 1,10-フェナントロリン(オルトフェナントロリン)塩酸塩(1g:1,150円)
・ 塩化ヒドロキシルアンモニウム(25g:900円)
・ 酢酸ナトリウム(500g:1,050円)
・ 塩酸(500mL:900円)
・ 酢酸(500mL:1,500円)
・ 鉄分入り健康飲料(炭酸飲料でない方がよい)
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酢酸緩衝溶液によりpHを弱酸性にすることで、
共存する金属成分からの妨害を防ぎ、鉄を効果的に定量することが出来る。 - 鉄は特に周辺環境からの汚染が考えられるので、注意して実験すること。
この実験は、鉄(Ⅱ)が1,10-フェナントロリンと反応して、Fe(Ⅱ):phen=1:3の
金属キレートを生成する反応を利用しています。この金属錯体は長時間変化せず安定です。
1,10-フェナントロリンと錯体を形成するのは2価の鉄のみです。
鉄は水溶液中で3価で存在することがあるので、
還元剤として塩化ヒドロキシルアンモニウムを添加しています。
この実験は、1,10-フェナントロリン吸光光度法としてよく用いられています。
吸光光度計があれば波長510nmで測定してみてください。
鉄分の他にカルシウム、ビタミン類などを含んだ飲料などをまとめて機能性飲料と呼びます。
これらの飲料は栄養成分の補給機能、おいしさなどの食品が生体の感覚に訴える機能、
さらに、体調リズムの調整等生体にある種の働きをする体調調節機能を持っています。
6Mの塩酸2mLを加えた後、1Lに希釈する。(鉄イオン標準溶液)
0.1M酢酸を同体積混ぜ合わせて溶液を調節する。(酢酸緩衝溶液)