実験B-13 <マジックレターを描こうの巻>
- 投稿者
- 日本分析化学専門学校
- 所要時間
- 90分
- 使用器具・薬品
- 【使用器具・薬品】
・ エタノール
・ 指示薬:フェノールフタレイン、ブロムチモールブルー、アリザリン
・ 変色液:無水炭酸ナトリウム、シュウ酸、中性洗剤
・ ペンキ用小型ローラー
・ ローラー台
・ 綿棒
・ 画用紙
【材料の入手】
・ エタノール(500g:1260円)
・ フェノールフタレイン(25g:1200円)
・ ブロムチモールブルー(1g:1100円)
・ アリザリン(5g:2100円)
・ 無水炭酸ナトリウム(500g:650円)
・ シュウ酸(500g:1300円)
・ 中性洗剤(台所にあるものでよい)
- 準備2.で変色液の調製をする際に、中性洗剤を加えておくのは、ローラーに転写した指示薬を落とすためと、画用紙に素早くむらなく炭酸ナトリウム水溶液を染み込ませるためである。
- 本操作1.でレターカードに描く際、無色から彩色に変化する指示薬の場合、溶媒のエタノールが蒸発すると何を描いたのかが分からなくなるので、あらかじめ鉛筆で下絵を描いておき、塗り絵の要領で指示薬を選定しながら塗るとよい。
- 本操作1.でレターカードに描いた後、早く乾かしたい場合は、ドライヤーあるいは電熱器を用いると良い。
- 本操作2.でマジックをする際、筆や刷毛で炭酸ナトリウム水溶液を塗って変色させようとすると、インクが塗る方向ににじむ恐れがあるので、炭酸ナトリウム水溶液を染み込ませたローラーをかけるのがもっとも良い。用いるローラーはスポンジだと指示薬が転写されるので、布やマット状のローラーを用いる。
- 塩基性溶液は、比較的安全な炭酸ナトリウムを使用するのがよいと思われる。
- 変色液に炭酸ナトリウム水溶液を用いるため、インクとして用いることの出来る指示薬は、pH5~9位の間の変色域を示す指示薬となる。
- 指示薬の溶媒に水を用いると、炭酸ナトリウム水溶液をローラーで塗布したときに、色にじみを生じるため、溶媒はすべてエタノールとした。したがって、エタノールに溶解する指示薬を選ぶ必要がある。
- 指示薬の溶解する濃度は、指示薬として処方されている濃度より多少濃いものの方が、カードの色変化が鮮やかで効果が大きい。
本実験で使用可能(変色が見られる)指示薬の色相変化をまとめると、以下のようになります。 ただし、それぞれの色相は微妙に異なるので、色の表現が同じでも、同じ色になるとは限りません。 また、以下の指示薬は、変色域がマジックインクとしてはふさわしくありませんが、逆に変色しないことで、中和滴定などで指示薬を使う際には変色域に注意して指示薬を選択する必要があることが理解できると思います。
A.準備