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-実験 NO.210-

実験B-37 <試験管でトリコロールの巻>

所要時間
30分
投稿者
日本分析化学専門学校

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準備するもの

【使用器具・薬品】
・50ml有栓メスシリンダー(なければ有栓試験管でも可能)
・攪拌棒
・100mlビーカー
・50mlビーカー
・漏斗
・漏斗台
・スパチュラ
・ミクロスパーテル
・ろ紙 2~3枚
・キシレン  30ml
・硫酸銅・5水和物  スパチュラ1杯
・ズダンIII  スパチュラ1杯
・炭酸カリウム  数10g(飽和するまで添加)
・メタノール  50ml

【材料の入手】
・メタノール・・・・・試薬会社で購入(500g:1,500円)
・硫酸銅5水和物・・・試薬会社で購入(500g:1,750円)
・キシレン・・・・・・試薬会社で購入(500g:  900円)
・ズダンⅢ・・・・・・試薬会社で購入( 25g:5,100円)
・炭酸カリウム・・・・試薬会社で購入(500g:  940円)

実験の手順

  1. 水20mlとメタノール20mlを100mlビーカーに注ぎ込む。これに炭酸カリウムを加え、沈殿ができるまで加え続ける(飽和させる)。
  2. 静置すると2層の液体に分かれる。これに硫酸銅をスパチュラの小さじ側で1杯加え、よくかくはんする。溶液はろ過してメスシリンダーに入れる。
  3. 別のビーカーにキシレン30mlを加え、ズダンⅢをわずかに加え赤く着色する。
  4. 試験管に③の溶液をゆっくり加える。そうすると3色に分かれフランス国旗のように鮮やかな色彩の液体ができあがります。
  5. 栓をしっかりして、振ってみてください。3層は混ざり合いますが、しばらく静かに置いておくと、また3色に戻ります。ぜひお試しあれ。(密栓しておけば長期保存も可能です。)

アドバイス

  1. 炭酸カリウムは一度に加えると溶けなくなったかどうかの判定がしにくいので、少量ずつ加えていってください。
  2. メタノールやキシレンは引火性の有機溶剤です。換気を十分に行い、火気にも気をつけて実験を行ってください。
  3. 作った3色の液体は長期保存できますが、有機溶剤を用いていますので日光の当たる場所や高温になる場所での保存は避けてください。

解説

3層に分かれる理由 液体の密度の違いと液体の相溶性の違いにより3つの層に分かれます。水とメタノールは普通に混ぜると完全に混ざり合いますが、炭酸カリウムをメタノール-水混合液に加えていくと、メタノールと混ざり合っている水を炭酸カリウムが奪っていくため、メタノールが塩析され2層に分離していきます。(ただし完全に100%メタノールと炭酸カリウム水溶液に分かれているわけではありません。) キシレンとメタノールも比較的容易に混ざり合いますが、今回作成した液体の中央の層はメタノールだけではなく水と一部混和しているため、キシレンと混ざりにくくなっています。本来純粋なメタノールの密度が約0.79g/ml、キシレンの密度が0.86~0.88g/mlであるのにメタノールがキシレンより下層になっていることからも、中央の透明な層は単純にメタノールだけでは無いことが予想されます。
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