11 2003 November
1 今日は、機器分析法Tの授業を担当しました。現在の化学分析には、機器分析はなくてはならないものになってきました。しかし、ベテラン研究者のなかにも、機器を使った分析だから、その結果をすべて正しいものだと思ってしまう人がいます。
結果が正しいかどうかは、サンプルの調製方法、機器の選択や分析方法を選んだ私たち分析者が判断しなければなりません。機械は間違っていますよ、正しいですよとは教えてくれないのです。
そのために機器の構造、サンプルの調製方法や測定原理を学ぶのが機器分析法です。分析機器を扱うのにはボタンの操作手順も大切でしょうが、分析をしていて壁にぶち当たったときに役に立つのは、機器の構造や測定原理なのですね。
written by 『じゃこてん』
2
3
4 今日から後期中間試験が始まりました。10月はスポーツ大会や分化祭(学園祭)、企業見学会といった行事に追われていたので、「え、先生もう中間試験?」と言った声もチラホラ。時の経つのは早いものです。
1年生は、後期から授業内容も専門性が高くなってきているので、家で一生懸命勉強してきているようです。「3連休どこにも行かずに勉強してた」とか、睡眠時間不足自慢の会話が聞こえてきます。
2年生は試験が午後からなのですが、朝のうちから登校して空教室で勉強している学生がたくさんいます。卒業研究で忙しい毎日の中で、本当によく頑張っていると思います。
さてさて結果の方はどうでしょうか?

written by 『ドラ一郎』
5 今日は学外でのお話。ある高校の先生と、進路指導のお話をする機会がありました。
先生のクラスの一人は、中学の頃の成績が、全校内で後ろから数えた方が早かったそうです。ただ、高校に入って、自分自身で勉強の目標を定め日々努力した結果、今ではクラスの上位になった。今でも、第三者から見て、「これは無理では」という目標をもって頑張っているとのこと。結果も大切ですが、いかにプロセスが重要かということを、先生は強調されておられました。
「目標を持つ」ってことは重要と言いますが、目の当たりにするとさらに実感しますよね。本校の学生にも、ぜひこの話をしたいと思います。生徒さんも立派ですが、またこの先生も、生徒思いの良い先生でしたね。

written by 『かりめろ』
6
7 本校では今日が後期中間試験の最終日でしたが、同時に大阪クリーンピックの日でもありました。
クリーンピックとは、ポイ捨てのない美しいまちづくりをめざして、大阪市と市民が協力して、市内全域の道路や公園などで一斉に清掃に取り組む日です。
本校では、試験期間中は午前に1年生の試験、午後に2年生の試験が行われるので、学年別にそれぞれの試験終了後に、学校の近くの南天満公園を清掃しました。
試験勉強で疲れているのにもかかわらず、127名の学生の参加があり、皆、一生懸命清掃に取り組んでいました。学生達は、試験の終了と清掃で充実した表情でした。

written by 『ポリフェノール』
8 今日は、私が担当している化学分析コース2年生の、卒業研究中間報告レポートの下書きの提出がありました。まず、私がチェックするのは、実験テーマ、実験目的、実験方法、結果及び考察の順にレポートが書かれているかを調べます。家を建てるのにいきなり柱を建てたりしませんね。研究報告には順番が大切なのです。
そして、二番目に見るのが実験目的です。この目的がしっかりしていないと実験の方法がしっかりと定まりません。あっちにふらふら、こっちにふらふらしてしまい、何がなんだかわからなくなってしまいます。
今日チェックした一班は、順番も目的もしっかりと書けていました。ただし、中間報告の段階でのことです。最終報告(卒業論文)では、もっと厳しい目で、全体を見ることになります。研究者は実験だけでなく、その内容をしっかりとまとめる力が必要なのです。

written by 『じゃこてん』
9 今日は化学分析コース2年生の機器分析法Uと1年生の重量容量分析実験を担当しました。機器分析法Uでは熱分析について、重量容量分析実験では中和滴定を学びました。2年生は次春に向けて、1年生は分析技術の修得に向けて取り組んでいます。今日の実験結果もなかなか良好で、着実に技術を身に付けていることが伺えました。
written by 『英国チャレンジャー号』
今日は朝から空模様が怪しく、雨が降ったりしていましたが、野球部は大会の第二回戦が行われました。
ヒットは一本だったのですが、ボールをよく見てフォアボールを選んだりして、効率よく点を取り、また、ピッチャーも好投して3対2で勝ち、第三回戦に駒を進めました。
第三回戦の日程はまだ決まっていませんが、昨年度の優勝チームとの対戦となります。これに勝てば優勝も、と今からチーム全員が話し合っています。皆さん第三回戦勝利の報告を楽しみに待っていてください。
written by 『じゃこてん』
10 応用分析化学科2年では、卒業研究の中間報告会が行われました。
毎週2〜3班ずつ、これまでに実験した成果を発表します。発表時間は5分、質疑応答時間は15分です。
ほとんどの学生にとって、人前で発表するのは初めての体験なので、なかなか上手く発表できませんでしたが、良く努力していることは分かりました。この調子でがんばれば、2月の卒業研究発表会では立派に発表できることでしょう。

written by 『オレンジライス』
11 今日は、生化学分析学科1年の重量容量分析実験でした。私はキレート滴定という実験項目の担当をしています。キレート滴定とは、金属が含まれる溶液に、金属とキレートという形を形成する試薬を滴下し、その滴下した試薬の量から金属の含有量を定量する方法です。実験機器を使わず手実験で簡単に、溶液中の金属の量を測定できるので、様々なところで使用されている方法です。
今回は、その方法でカルシウム、マグネシウム、アルミニウムの定量を行いました。その際、試薬の滴下量が予想していたものより多くなり、学生は「なぜこのようなことが起こるのですか?」と質問してきました。私がその時ほーっと感じたのは、学生のその疑問に思う心でした。原因は「溶液の調製ミスで金属の含有量が違う」「溶液中のpHが異なっていた」など、考えられる事が沢山ありますが、化学者は、起こった反応がなぜそうなったのか疑問に思う、なんでだろう?の心が大切であり、そこから次の発見が生まれるのです。
もう学生達は化学者の一員であるな〜、と感じた一日でした。

written by 『とろとろ』
12 今週から後期中間試験の返却が行われています。
学生の表情も悲喜こもごも。良かったヒト、悪かったヒト。
無論、良いにこしたことはないのですが、悪かったヒトも、悪かった原因を自分で考えて、次の試験に向け先生を捕まえて、質問攻めにしている姿も見られました。
こうした努力が、「アタマの回路」をつなげて、分析化学者として実技、知識共に定着していくのですね。頼もしく見ていた一日でした。

written by 『クールガイ』
13
今週の日曜日に、本校を会場として文部科学省認定 工業英検の資格試験が行われます。今日は、その対策として、工業英語の時間に、プリントを配りました。学生達は、早速その問題に挑戦して、自分の実力を確認していました。
生化学分析学科1年のAくんとTさんは、両者で勝負をしていたようで、楽しみながらも、真剣にプリントに取り組んでいました。
もくもくと勉強するのも必要ですが、クラスメイトと楽しみながら勉強するほうがかえってそのことを覚えていたりすることがあります。
休み時間まで、その勝負が
続いている人がいたのを見て、ちょっといい感じでした。(^^)/
written by 『すくろーす』
14 今日は応用分析化学科2年の「卒業研究」を担当しました。
2月上旬の卒業研究発表会まで残り3ヶ月弱、残された日程もあと僅かとなっています。順調に実験が進んでいるグループ、なかなかデータが出ず焦っているグループ、予想と違った実験結果に右往左往しているグループ、パソコンを前にデータをまとめているグループ、本当に悲喜交々です。
卒業研究は学生時代の集大成とも言えます。この貴重な機会を精一杯過ごし、実践力を身につけてくれることを祈ります。
年を越すと器具を洗う水も少しずつ冷たくなってきます。そろそろスパートの時期ですね。
written by 『英国チャレンジャー号』
15 今日は化学分析コース2年生の統計工学と卒業実験の担当でした。
化学分析コースの学生は、平日のコースと異なって普段は化学系企業の現場で働く社会人も多いので、統計の授業内容もちょっぴりハイレベルです。今は分散分析という単元をやっているのですが、これは条件を変えて行った数多くの実験結果の中から、実験者や実験方法、測定機器による違いが出ていないか調べるために必要な項目です。
途中の計算が複雑なので、慣れるまではなかなか計算結果自体の意味することまで気が回りにくいですが、前回・前々回の講義に続き今日は演習を中心に行ったのでかなり理解は進んだのではないでしょうか。授業後に質問される内容からそう感じました。

written by 『ドラ一郎』
16
17 本校では今日から3日間、後期中間試験の再試験が行われます。
再試験とは本試験で50点未満だった学生を対象に行われるものです。しかしながらこの再試験、50点未満の学生に受験を義務づけているものでもなく、あるいは自動的に受けられる試験でもありません。本校では、再試験は本試験で十分な点数でなかった学生に、もう一度チャンスを与えようという試験なのです。ですから、勉強への取り組みが十分でないと判断された場合には再試験を受けられない場合もあります。
私も今日、再試験を行った科目は当初再試験を実施しない予定でしたが、学生が熱意をもって受けたいというので、実施することにしました。
今回のことをバネによく勉強したらしく再試験はよい出来でした。期末試験は本試験からよい点をとることを期待します。
written by 『ポリフェノール』
18 今日は後期中間試験の再試験2日目(昨日の日記をご参照下さい)。私は、高分子化学の試験が昨日終了し、本日採点しております。結果は、学生達の「今度こそは!!」という熱意感じられる良い結果でした。
そんな中、「卒業研究で使う川の水を採取したいので、容器・器具を貸して下さい。」と言ってきた学生がいました(この学生はほとんど再試験を受けなくて良いので、余裕があるようです)。
卒業研究が出来る期間も残り後わずかであるため、それでは間に合わないと、卒業研究以外の時間に出来ることをしておこう、ということのようです。この様なことも含め、最近学生の行動に「この卒業研究を何としてでも自分たちの手で完成させるのだ!」という熱意を感じています。
ここまで頑張って積み上げてきた大切な試料・データを、焦ってミスをし、台無しにしないよう気を付けながら頑張って欲しいと思います。

written by 『とろとろ』
19
20
今日は応用分析化学科2年生の卒業実験。様子を見ている限り、もはや皆は一人前の分析化学者になったつもりでいるようです。
そんな中、私の担当するある班が出してきたデータを見ると、かなりの好結果。その班は無機材料の分析をしているのですが、そのデータは良く文献値などと一致していました。また、簡単にアドバイスすると、そのアドバイスをもとに一生懸命班員で討論していました。
今年も残り少ないので、しっかり頑張って欲しいものです。
written by 『クールガイ』
21
22 今日は化学分析コース1年生の「定性分析実験」で、第4族の分離・確認実験を行いました。
定性分析実験は、次の第5族の分離・確認実験を行うと、実技試験が始まります。学生達は実技試験が始まること、実験にも慣れてきたこともあって、質問もポイントを絞り鋭くなってきました。家では実験が出来ないので、紙に操作手順を書きながらイメージトレーニングをする必要があります。
実技試験まで時間があるので、今までの実験を整理し直すようにアドバイスしています。今から実技試験の良い結果を楽しみにしています。

written by 『じゃこてん』
23 今日は化学分析コース1年生の「重量容量分析実験」で、中和滴定を担当しました。中和滴定も三回目を迎えています。
実験のボリュームも最初の頃と比べると2倍ぐらいになっているのですが、学生達も慣れてきて、スイスイ〜と実験を片付けてしましました。「継続は力なり」を改めて感じさせられました。
2年生は、後期に入ってからというもの、毎日のように「卒業研究」で大わらわです。水道水からお茶やワイン、魚類に至るまで、各班でいろいろなものを分析しています。文字だけ見ると何をする学校なのかわからないですね(笑)

written by 『英国チャレンジャー号』
24 今日は野球部の試合がありました。この試合に勝つと準決勝進出だったのですが。。。
今回は我がチームの凡ミスが目立ち、10対0、4回コールド負けをしてしまいました。この結果を見て、打撃練習より守備練習をしっかりしようと部員達と今後の練習について話し合い、次回の勝利を誓い合いました。ご声援ありがとうございました。

written by 『じゃこてん』
25 先週の土曜日、昨年ノーベル化学賞を受賞された田中耕一さんが所属する「日本質量分析学会」が50周年を迎え、記念講演が開催されました。本校の学生(希望者)も参加しました。
1年生は、田中耕一さんを見るのが初めてだったので、興奮していました。一方2年生は、今年1月のノーベル化学賞受賞記念講演に参加していたので、騒いでいませんでしたね。しかし、座席はちゃっかり、田中さんの席の真後に座っていた学生もいました。
さて、講演の内容は、質量分析の歴史についてでした。大変勉強になったのではないでしょうか。

written by 『オレンジライス』
26
27 今日は生化学分析学科2年の酵素化学を担当しました。酵素とは触媒作用のあるタンパク質のことで、私達の体の中にもたくさんあり、食べたものを消化したり、エネルギーに変換したり、体を作ったりする反応を触媒しています。酵素は人だけでなく生物が生きていくためには不可欠なものであり、この酵素化学の授業は生化学分析学科の学生には非常に重要な科目の一つといえます。
今日は、酵素の働きを助ける補酵素という物質について講義したのですが、この補酵素はビタミンがその構造の一部となっているので、学生達には身近に感じられたらしく、授業終了後にはある男子学生が熱心に質問に来ました。
彼は中級バイオ技術認定の資格試験を受験するつもりでいるらしく、関連のある授業は本当によく勉強しています。結果が楽しみです。
written by 『ポリフェノール』
28
29
30 今日は2年生の「機器分析法U」と、1年生の「重量容量分析実験」を担当しました。重量容量分析実験では、今日からグループが入れ替わり、それぞれのグループが「中和滴定」と「キレート滴定」に取り組んでいました。学生達もかなり慣れてきており、皆で和気あいあいと実験をこなしていました。楽しんで実験をしている姿を見ていると、私達も嬉しくなります。
2年生はと言うと、こちらは楽しんでという段階ではなく、「卒業研究発表会」に向けてデータを出していかなければなりません。しかし、当の本人達は「あっけらかん」としています。この自信はどこからやってくるのやら・・・学生達の自信を信じましょう!

written by 『英国チャレンジャー号』