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-実験 NO.167-

実験B-15 <犯罪捜査で用いられる化学分析の巻(1)>

所要時間
40分
投稿者
日本分析化学専門学校

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準備するもの

・ルミノール        0.1g/人
・ヘミン       1mg/人(ミクロスパーテル1杯程度)
・0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液 100ml/人
・3%過酸化水素水 10ml/人
・共栓付き三角フラスコ200ml 1個/人
・ミクロスパーテル  1本/人
・ポリ容器1000ml(水酸化ナトリウム保存用) 1本/10人
・ポリ容器100ml(過酸化水素水保存用) 1本/10人
・駒込ピペット10ml(過酸化水素水採取用) 1本/10人

【材料の入手】
・ 水酸化ナトリウム(500g:750円)
・ ルミノール(5g:4,500円)   
・ ヘミン(1g:3,600円)
・ 過酸化水素水(500ml:1,600円)

実験の手順

  1. 共栓付き三角フラスコ200mlに水酸化ナトリウム溶液を100mlを入れ、そこにルミノールを約0.1gを添加しよくかきまぜ溶解させる。(この時完全に溶解しなくてもよい)
  2. 3%過酸化水素水10mlを加え、軽く混合する。
  3. ヘミンをミクロスパーテルに1杯とり、三角フラスコの溶液内に浸し、軽く振り混ぜ暗闇にて青白い光を観察する。

アドバイス

  1. 水酸化ナトリウムは、潮解性が大きいためはかりとり時、直接手で触れると手の水分で強アルカリ性溶液になるため、必ず薬さじを使用すること。また、もし手に付いたときは、ぬるぬる感が取れるまで大量の水で洗い流し、顔には手を触れないこと。目に入ると失明の恐れがある。必ず保護メガネ着用すること。
  2. 過酸化水素水は高濃度になると、皮膚浸食する。手指等に掛けないように注意すること。

解説

赤血球の主成分はヘモグロビンHemoglobin)であり、ヘム(Heme)と呼ばれる鉄錯体部分と、グロビン(Globin)と呼ばれる複数のタンパク質部分から構成されています。このヘム(Heme)と呼ばれる鉄錯体部分が触媒となり、ルミノールが化学発光するわけです。今回の実験では、このヘム(Heme)と呼ばれる鉄錯体部分と構造が極めて類似するヘミンを用いて代用しています。ルミノールはアルカリ性溶液に過酸化水素の存在下で金属化合物などの触媒(酸化剤)に酸化されてアミノフタール酸ジアニオン(励起状態)を生じます。これが基底状態に遷移する過程で化学発光(最大波長424nm)を生じます。金属化合物の中では、いくつかの鉄塩に強い活性が認められており、今回はヘミンを用いたがヘキサシアノ鉄(3)酸カリウム(フェリアン化カリウム)でも、代用は可能です。
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